核廃絶運動、次代へ=「親失った」誓い新た―坪井さん死去に被爆者ら

社会

核なき世界を国内外で訴え続けた坪井直さんの訃報が届いた27日、各地の被爆者らは「親を失った」「大きな星だった」と口々に惜しみ、「核廃絶運動を次世代につなぐ」と誓いを新たにした。

広島県原爆被害者団体協議会(県被団協)の箕牧智之理事長代行(79)は15年以上も共に活動してきただけに、「大木が倒れたような、親を失ったような強いショックだ」と肩を落とした。

「温厚な、優しい平和主義の人だった」と振り返り、「日本の核兵器禁止条約への批准を見届けることなく亡くなったのは無念だったと思う。遺志を継ぐ」と語った。

前田耕一郎事務局長(72)も「いつかこの日が来るとは思っていたが」としながらも、衝撃を受けた様子だった。体調が優れない中、身ぶり手ぶりを交え、力強く証言する姿が忘れられない。「体験を若い人に話すことに情熱を傾けた人。大きな存在だった」と惜しんだ。

日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の木戸季市事務局長(81)=岐阜市=は、坪井さんが「若いか若くないかは年齢ではない。再び被爆者をつくらないという思いを持って生きているかなんだ」と熱弁を振るったことがあったと明かす。「寂しいが、坪井さんがつないだ運動を次の世代に引き継ぐ」と力を込めた。

日本被団協の田中熙巳代表委員(89)=埼玉県新座市=は、オバマ米大統領(当時)の広島訪問時、式典に坪井さんと一緒に出席した。国連本部で5年に1度開かれる核拡散防止条約(NPT)再検討会議への参加など世界への発信に触れ、「高齢になっても先頭に立って大きな貢献をされた」とたたえた。

日本被団協代表委員も務める長崎原爆被災者協議会の田中重光会長(80)も「大きな星を失った」と声を落とした。

2018年4月、広島市名誉市民に選ばれた坪井直さん(左)と松井一実市長=同市役所2018年4月、広島市名誉市民に選ばれた坪井直さん(左)と松井一実市長=同市役所

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