岸田首相、「外交デビュー」で手応え=4日で政権1カ月―給付金・賃上げ、実績づくり全力

政治・外交

岸田文雄首相は3日、就任後初の外遊を終えた。気候変動問題で新たな途上国支援を打ち出したほか、バイデン米大統領ら各国首脳との会談では「自由で開かれたインド太平洋」の推進で連携を確認するなど、「外交デビュー」では一定の成果を挙げたと言える。英国から帰国した首相は4日に政権発足1カ月を迎え、当面は大型経済対策を盛り込んだ2021年度補正予算案の編成などに取り組む方針だ。

「アジア、さらには世界に脱炭素化に向けたわが国のイニシアチブを発信した」。国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の首脳級会合など一連の外交日程を終え、首相は3日未明、手応えを同行記者団に強調した。

首相は長く外相を務めるなど外交を「得意分野」と自負している。会合では、アジア各国の脱炭素化支援で今後5年間で最大100億ドル(約1兆1300億円)の追加支援を表明。米、英に加えてオーストラリア、ベトナムとも首脳会談を行い、中国の動きを念頭に「自由で開かれたインド太平洋構想」の推進で連携を確認した。

バイデン氏とは短時間ながらも対面での初の首脳会談に臨んだ。日米同盟のさらなる強化を確認したほか、早期訪米の約束も取り付けた。年内訪米も視野に調整に入る方針だ。

一方、国際的な環境NGO「CAN」は地球温暖化対策に後ろ向きな国に贈る「化石賞」に日本を選ぶなど厳しい評価もあった。首相が石炭火力廃止に踏み込まなかったことが原因とみられる。

国内に目を転じると、10日に第2次岸田政権を発足させる。新たに自民党幹事長に起用する茂木敏充外相の後任人事を急ぐ。

新たな経済対策では、新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた生活困窮者らへの給付金支給が大きなテーマだ。連立を組む公明党と金額や対象者の調整に入るが、難航も予想される。

さらに介護や保育の現場での賃上げに向け、公的価格評価検討委員会を来週にも立ち上げる。衆院選で訴えた「成長と分配」を実行に移せるかが問われる。自民党幹部は「原油価格高騰や円安の影響で物価が上がっていく。賃上げはやらなければいけない」と早急な対応を求める。

衆院選を乗り切った首相にとって、次の大きな関門は来夏の参院選。党総裁選や衆院選で訴えた公約の実現に全力を挙げる考えだ。

COP26首脳級会合が開かれた英北部グラスゴーから帰国した岸田文雄首相=3日午後、東京・羽田空港COP26首脳級会合が開かれた英北部グラスゴーから帰国した岸田文雄首相=3日午後、東京・羽田空港

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