デジタル田園都市実現へ交付金=来年度予算で看護・介護賃上げ―「新しい資本主義」緊急提言案

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政府の「新しい資本主義実現会議」(議長・岸田文雄首相)がまとめる緊急提言案の全容が5日、分かった。地方創生を目指す「デジタル田園都市国家構想」を具体化するため、地方自治体向けの大規模な交付金制度の創設を盛り込む。「成長と分配の好循環」を通じた分厚い中間層の復活に向け、2022年度から看護師や介護士などの待遇を改善するための予算措置も明記する。

政府は提言案を8日の実現会議に提示。今月中旬に策定する経済対策に反映させる。「広く国民の所得水準を伸ばし、次の成長を実現していく」ために政策を総動員する姿勢を示す。

デジタル田園都市国家構想は、分配の原資を生み出す成長戦略として推進する。地方でデジタル技術の普及を進めて都市部との格差を縮める構想で、政権の看板政策の一つ。交付金で「デジタルを活用した地域の自主的な取り組みを応援する」と強調する。

成長戦略では、デジタル化や脱炭素化、人工知能(AI)技術など「必要な研究開発を複数年度にわたって支援する枠組みを設ける」と明記。10兆円規模の大学ファンドは今年度内の運用開始を目指す。経済安全保障を推進する法案の早期提出、半導体工場の国内立地支援も盛り込む。

分配戦略では、看護や介護、保育の現場で働く人たちの待遇を改善するため「公的価格評価検討委員会」を設置し、給与の在り方を抜本的に見直す。見直し前の当面の措置として、22年度予算案で診療報酬などの「処遇改善加算」も検討する。

岸田文雄首相=4日、首相官邸岸田文雄首相=4日、首相官邸

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