インフル流行、強まる警戒=免疫減少、学級閉鎖も―専門家「広がれば大規模に」

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新型コロナウイルス感染の「第8波」が迫る中、インフルエンザへの警戒が強まっている。過去2シーズンは流行がなかったために免疫を持つ人が減ったとされ、すでに全国で学級閉鎖も出始めている。専門家は「一度広がれば大流行する恐れがある。同時流行に備えワクチン接種を進めてほしい」と訴える。

インフルエンザは通常、新型コロナ出現までは毎年秋以降に流行していた。厚生労働省などによると、翌年にかけての推計患者数は2018年が約1210万人、19年は約729万人だった。一方、コロナ流行後の20年は1.4万人、21年も0.3万人にとどまった。手洗いやマスク着用などの感染対策が奏功したとみられる。

厚労省が集計する全国約5000の医療機関からの患者報告数は今年9月以降、週100人前後で推移していたが、今月6日までの1週間は270人に上った。同省などによると9月以降、少なくとも栃木、長野、大阪、兵庫、島根、宮崎、沖縄各府県の小中学校などで感染者確認に伴う学級閉鎖があった。

感染症に詳しい慶応大の菅谷憲夫客員教授は「今季は報告数が20、21年より多いが、大きな差ではない」と指摘。ただ、南半球のオーストラリアでは今夏に大流行し、北米や東南アジアでも流行が始まっているとして、「日本では過去2シーズン流行せず免疫が落ちた人が多い上、水際対策緩和もあり流行しやすい環境が整った。きっかけがあればいつ大流行してもおかしくない」と警鐘を鳴らす。

一方、感染力の強いウイルスが存在すると、他の感染が起きにくくなる「ウイルス干渉」という現象がある。菅谷氏は「第8波の規模が大きくなれば、ウイルス干渉によってインフルエンザの流行規模も小さくなるだろうが予測は難しい」と分析。その上で「子どもはインフルエンザ脳症のリスクがあり、高齢者は肺炎になりやすい。油断せずワクチン接種を進めてほしい」と強調している。

厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関

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