「冬の時代」に身構え=FTX破綻、投資冷え込み―暗号資産業界

経済・ビジネス

暗号資産(仮想通貨)交換業大手FTXトレーディングの経営破綻の衝撃が広がっている。日本では度重なる暗号資産の流出事件を受けて利用者保護の制度が整備され、他国に比べ影響は限定的だ。ただ、米国ではFTXと関係の深い業者の経営が行き詰まり、一部サービスの停止に追い込まれた。業界は本格的な「冬の時代」到来に身構えている。

FTX日本法人は、9月末時点で約100億円の資産超過状態で、顧客資産は分別管理していると主張。監督する金融庁も日本の利用者の資産は保護されているとみる。ただ、親会社が米国で申請した連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の対象に日本法人も含まれており、払い戻しにどう影響するのか不透明だ。

近年、急騰していた暗号資産相場は今年5月のステーブルコイン急落などで低迷し、冬の時代を迎えたとされる。そこに追い打ちをかけたのがFTXの破綻だ。代表格ビットコインのドル建て価格は昨年のピーク時から8割も下落した。

米国では暗号資産の貸出業者などに経営危機が連鎖。米金融大手の破綻を引き金に世界中に信用不安が拡散した2008年のリーマン・ショックになぞらえる見方もあり、業界関係者は「影響の広がりはまだ見えない」と警戒する。

FTXには、1億ドル(約140億円)弱を投資しているソフトバンクグループのほか、海外の著名投資会社や年金基金が投資家として名を連ねる。暗号資産関連の損失が膨らめば、リスクマネーの供給が滞る恐れもある。暗号資産交換業大手ビットバンク(東京)の広末紀之社長は「1、2年は(暗号資産の)産業全体が縮小するのは免れない」と指摘している。

経営破綻したFTXトレーディングのロゴマーク(AFP時事)経営破綻したFTXトレーディングのロゴマーク(AFP時事)

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