講談社元次長、有罪破棄=「審理不十分」高裁に差し戻し―妻殺害の上告審判決・最高裁

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東京都文京区の自宅で2016年、妻を殺害したとして殺人罪に問われ、一、二審で懲役11年とされた講談社元編集次長、朴鐘顕被告(47)=韓国籍=の上告審判決が21日、最高裁第1小法廷であった。山口厚裁判長は「審理が不十分だ」として二審判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻した。

一審裁判員裁判の有罪判断を維持した二審判決が最高裁で破棄されたのは初めて。

検察側は寝室のマットレスから失禁の痕や唾液混じりの血痕が検出されるなどしたことから寝室で妻の首を絞めて窒息死させたと主張。被告側は「産後うつなどで錯乱状態の妻と寝室でもみ合い首に腕を回すなどしたが、妻は寝室を出て階段の手すりで首つり自殺した」と訴えた。

一審は「自殺なら、左目の上を裂傷した妻が多量の出血がある中で階段に移動したことになるが、血痕は限られた範囲にしかなく不合理」として被告側の主張を退けた。二審は「妻の顔に血が流れた痕や手で拭った痕跡がないのは不自然」として、一審とは別の根拠で自殺説を否定した。

第1小法廷は判決で、二審は顔の血痕の有無が争点になっていないのに、搬送時の写真などを基に血痕はないと結論付けたと指摘。しかし、写真の色調は不鮮明で血痕の有無を判断するのは難しく、「仮に血痕があるとすれば自殺を否定した根拠が失われる」として審理のやり直しを命じた。

最高裁=東京都千代田区最高裁=東京都千代田区

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