スタートアップの一大拠点整備へ=起業時から手厚く支援―東京都

社会

東京都は、革新技術の研究開発で急成長を目指すスタートアップ(新興企業)の支援強化に乗り出した。スタートアップや大学など関係団体を集積する一大拠点を整備するほか、こうした企業が都の公共調達に参加しやすい仕組みを導入する。欧米諸国などから後れを取ってきた起業段階からの支援を拡充し、世界と競い合える企業を増やす狙いだ。

「平成以降、日本の国際競争力が下がり続けてきた。イノベーションで社会課題を解決し、東京からゲームチェンジを起こそう」。小池百合子知事は2022年11月、スタートアップ支援に関する新戦略の発表会でこう強調。「ユニコーン」と呼ばれる企業価値10億ドル以上の未上場企業について、今後5年間で10倍に増やし、東京から世界に輩出する目標などを掲げた。

戦略の柱は、スタートアップの一大拠点の整備。24年度に開業予定で、約1000社が入居できる施設を想定している。起業して間もないスタートアップは資金力や営業力に乏しいため、拠点には企業や大学だけでなく、資金供給を担う国内外のベンチャーキャピタル、経営のノウハウを持つ組織などを集め、企業同士が支え合うコミュニティーをつくる。

実際に都の支援を受けて事業を軌道に乗せた例もある。人や荷物を持ち上げる作業を補助する「マッスルスーツ」を開発した東京理科大発の「イノフィス」(東京都新宿区)は、都と連携して介護施設で実証実験を実施。「職員の腰の負担が最大45%減った」といった成果が得られ、21年度には、都立高校の介護福祉科などへのスーツの納入が実現した。「都と組んだことで製品への信頼感が高まり、販路開拓につながった」(同社幹部)という。

こうした事例を受け、新戦略には、大企業に偏りがちな都の入札参加条件を見直し、スタートアップも参加しやすくなる制度の構築なども盛り込んだ。都の担当者は「都内にはスタートアップが集中している上に、病院や公園、水道など、さまざまな公共調達のフィールドがある。こうした強みを生かしたい」と話している。

スタートアップ(新興企業)への支援策に関する新たな戦略を発表する東京都の小池百合子知事(左)=2022年11月24日、東京都港区スタートアップ(新興企業)への支援策に関する新たな戦略を発表する東京都の小池百合子知事(左)=2022年11月24日、東京都港区

スタートアップ(新興企業)のイノフィスが開発した装着型の作業支援ロボット「マッスルスーツ」=2022年12月19日、東京都新宿区スタートアップ(新興企業)のイノフィスが開発した装着型の作業支援ロボット「マッスルスーツ」=2022年12月19日、東京都新宿区

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