過疎地の地域交通支援検討=住民ニーズでタクシー活用も―国交省

社会

国土交通省は、高齢化が進む過疎地などでの住民の移動手段を確保するため、新たな交通支援の仕組みの検討に乗り出す。人口減少により、路線バスや鉄道の廃止、運行本数の削減が相次ぐ中、住民の需要に応じた運行サービスを提供できるデマンドタクシーなどの活用案が浮上。国交省は年明け以降、具体策を詰める考えだ。

交通政策審議会(国交相の諮問機関)は2022年11月、地域交通の再構築に向けて国交省が取り組むべき施策の骨子を提示。公共交通が十分に行き届かない地域でのタクシーの活用など「持続可能な交通の仕組み」の必要性を明記した。

審議会は23年1月に中間取りまとめを公表する予定。国交省幹部は「車を運転できない交通弱者の高齢者ら利用者にとって使いやすい地域交通を考えることが重要だ」と強調する。

既にタクシーを高齢者の足として活用している事例もある。山形県南陽市の沖郷地区では、地元タクシー会社4社が地域公共交通「おきタク」を19年10月から運行。60歳以上の住民を対象に、片道一律500円でサービスを提供している。

利用には前日の予約が必要。利用者は自宅前から乗車し、病院やスーパーなど地域であらかじめ決められた場所の中から目的地を選ぶ。

市みらい戦略課によると、沖郷地区には路線バスがなく、地域に応じた交通の在り方について考えようと住民自ら協議会を設立。利用条件を厳格化し、タクシー事業の収益に影響が出ないよう配慮することで、地元タクシー会社も運行に同意した。地域住民も1世帯当たり200円を負担し、運行の継続を支える。同課は「おきタクの導入により、高齢者の外出機会も増えている」としている。

国交省はこうした先進事例も参考に、地域交通の具体策を協議したい考えだ。

地域公共交通「おきタク」の運行開始式で記念撮影に応じる白岩孝夫山形県南陽市長(右から3番目)=2019年10月1日、同市内(同市みらい戦略課提供)地域公共交通「おきタク」の運行開始式で記念撮影に応じる白岩孝夫山形県南陽市長(右から3番目)=2019年10月1日、同市内(同市みらい戦略課提供)

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