林外相、日・メルコスルEPA「国内でさまざまな意見」

政治・外交

【サンパウロ時事】米州5カ国を歴訪中の林芳正外相は10日、訪問先のブエノスアイレスで記者会見し、日本企業などから早期の締結を求める声が上がっている「日本・南米南部共同市場(メルコスル)経済連携協定(EPA)」構想について「日本国内でもさまざまな意見がある。国内で引き続き議論したい」と述べた。同氏はサンパウロとブエノスアイレスでそれぞれ日本企業関係者と会合を持っている。

林氏は「これまでもメルコスルを構成する諸国、そして企業関係者から要望があり、今回も関心が示された」と説明。その上で「私からは、メルコスルとの経済関係強化の在り方については日本国内でもさまざまな意見があること、国内で引き続き議論したいと伝えた」と述べるにとどめた。

世界の農産物や鉱物資源の主要輸出地域であり、巨大市場でもあるメルコスルをめぐっては、近く欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)発効が見込まれるほか、韓国などもFTA交渉を行っており、日本企業からは遅れを懸念する声が上がっている。ただ、日本の農家は牛肉を始めとした農産物流入を警戒しており、EPAをめぐっては積極的な外務省と消極的な農水省の間で意見が対立しているとされる。

外務省によると、8日にサンパウロで開かれた日本企業関係者との懇談で、林氏は「日本とブラジルは経済面で相互補完的な関係にあり、約2億人の強大な消費者市場はさらなる発展が期待されている。両国の経済関係強化には大きなポテンシャルがある」と指摘。企業関係者からはブラジルのビジネス環境整備に向けた日本政府からの支援と、日メルコスルEPAの交渉開始について要望があった。

一方、ブエノスアイレスでは林氏が「世界的にエネルギー・食料資源が危機にある中、重要な資源生産国として注目されるアルゼンチンとの経済関係強化は重要だ。そのためにはビジネス・投資環境の整備・改善が求められることから、オールジャパンで支援していきたい」と発言した。(了)

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