国債ルール、自民に緩和論=防衛財源に充当、政府は慎重

経済・ビジネス 政治・外交

防衛費増額の財源を確保するため、国債の「60年償還ルール」の見直し論が自民党内で浮上している。国の借金の返済財源に充てる債務償還費を減らし、防衛財源に振り向ける構想だ。これに対し、政府は財政規律を維持するため慎重だ。防衛費増額のための増税時期と絡み、争点となりそうだ。

60年償還は、国の借金である国債について、期限を迎えた国債の一部を新たに発行する借換債と現金による払い戻しを組み合わせ、発行60年後までに完済するルール。2023年度当初予算案で債務償還費は約16兆円と、一般会計歳出総額114兆3812億円の15%近くを占める。

見直しの検討を主張する自民党の萩生田光一政調会長は、償還年数を80年に延長する案に言及している。延長すれば、毎年度の債務償還費を減らせる。自らをトップとする特命委員会を近く設置し、増税以外の防衛財源捻出策を議論する考えだ。世耕弘成参院幹事長も「(特命委が)償還ルールを議論する場になればいい」と話す。

自民党若手有志による「責任ある積極財政を推進する議員連盟」はルール自体の廃止を唱え、「償還費を防衛費などに振り向けることについて検討すべきだ」と訴える。

政府は予防線を張っている。松野博一官房長官は12日の記者会見で「毎年度の債務償還費が減少する分、一般会計の赤字国債は減るが、その分、特別会計の借換債が増える」と指摘。「財政に対する市場の信認を損ねかねない」と語った。財務省も、財政規律の観点から見直しに否定的だ。

「60年償還ルール」の見直し検討を主張している自民党の萩生田光一政調会長=11日、インド・ニューデリー(時事)「60年償還ルール」の見直し検討を主張している自民党の萩生田光一政調会長=11日、インド・ニューデリー(時事)

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

時事通信ニュース