「空自セクハラ、被害放置」=女性自衛官が国提訴―東京地裁

社会

航空自衛隊那覇基地でのセクハラ被害を申告したのに適切に対応されず、基地内で名指しされて2次被害を受けたとして、現役の女性自衛官が27日、国に約1170万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。代理人の弁護士が記者会見し公表した。

弁護側によると、女性は2010年に入隊し、那覇基地に配属されたが、間もなく男性隊員から交際相手との性行為について尋ねるなどのセクハラ発言を繰り返し受けるようになった。基地内で被害を相談したが「個人のセクハラには対応しない」などと門前払いされ、16年に男性隊員を相手に損害賠償を求めて那覇地裁に提訴。請求は退けられたが、地裁は「人格権を侵害する違法な発言と判断される可能性は十分ある」との判断を示した。

しかし、空自は実名で女性に非があるかのように記した資料を基地内のセクハラ教育に使用。女性は裁判所に内部資料を提出したとして警務隊の捜査対象とされ、訓戒処分を受けた。

女性はこの日、発言内容にも隊の許可が必要だとして会見を欠席。代理人を通じ「これはセクハラで、加害者らに対応できる組織になってほしい」などとコメントした。

防衛省の話 訴状が送達された時点で検討し、適切に対応する。

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