6日に打ち上げ再挑戦=発射直前に中止のH3ロケット―ノイズで誤作動、対策にめど・JAXA

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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3日、発射直前に中止となった新型ロケット「H3」1号機の打ち上げについて、6日午前に鹿児島県・種子島宇宙センターで行うと発表した。打ち上げ時間帯は午前10時37分55秒から同44分15秒までの間。

記者会見したJAXAの岡田匡史プロジェクトマネジャーは、中止の原因が1段目の機体制御機器の電気ノイズによる誤作動だったとした上で、「必要な対策措置を完了する見込みが得られた」と説明した。

1号機は2月17日に打ち上げ予定だったが、発射約6秒前に予定通り1段目の主エンジンに着火したものの、固体補助ロケットに着火せず、打ち上げは中止となった。

その後の調査で、1段目の主エンジンに電力を供給する系統で異常が検知されたことが判明。制御機器が補助ロケットへの着火信号を送らず、主エンジンを停止させていた。

さらに詳しく調べたところ、打ち上げ直前までロケットと地上設備間をつなぐ通信・電源ケーブルの電気信号を遮断した際に、想定を超える電気的ノイズが発生したことが判明。このノイズが制御機器の誤作動を引き起こしたことが分かった。

JAXAは、複数の信号を時間差で遮断することでノイズを低減させ、誤作動が起きないことを確認した。ロケット本体や搭載する衛星に異常はなく、当初の打ち上げ予備期間の10日までに打ち上げが可能と判断した。

H3ロケット1号機=2月16日、鹿児島県・種子島宇宙センターH3ロケット1号機=2月16日、鹿児島県・種子島宇宙センター

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