H3ロケット、打ち上げ失敗=新主力機、2段エンジン着火せず―日本の宇宙開発に痛手・JAXA
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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7日午前10時37分、新型の液体燃料ロケット「H3」1号機を鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げた。しかし、第2段エンジンが着火せず、ミッション達成の見込みがなくなったとして、同51分に機体の破壊を指令する信号を送信。機体は搭載衛星とともにフィリピン東方沖に落下し、打ち上げは失敗した。
記者会見したJAXAの岡田匡史・H3プロジェクトマネジャーは「このような結果になり、申し訳なく思っている」と謝罪。その上で、第2段エンジンに着火信号を伝える電気系統などを中心に、幅広く原因究明を進める考えを明らかにした。
JAXAのロケット打ち上げ失敗は、昨年10月の固体燃料ロケット「イプシロン」6号機以来。H3は、現行のH2Aの後継となる新基幹ロケットで、失敗は日本の宇宙開発にとって大きな痛手となった。
H3ロケットは2段式の液体燃料ロケットで、全長約57メートル。1号機は先進光学衛星「だいち3号」を搭載しており、打ち上げ約17分後に軌道に投入する予定だった。
新開発の主エンジンを採用した第1段は、正常に燃焼を終了し、打ち上げ約5分後に分離。その後、第2段エンジンが着火しなかった。第2段エンジンは、H2Aロケットに使われているものとほぼ同じで、実積は豊富。地上での燃焼試験でも不具合はなかったといい、JAXAは飛行中のデータなどを詳しく分析し、解明を進める。
取材に応じるJAXAの岡田匡史・H3プロジェクトマネジャー=7日午後、鹿児島県・種子島宇宙センター
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