日銀、大規模緩和を維持=長期金利変動幅も据え置き―黒田総裁、最後の決定会合

経済・ビジネス

日銀は10日、前日に続き金融政策決定会合を開き、全員一致で現在の大規模な金融緩和策の維持を決定した。容認する長期金利の変動幅上限は0.5%程度に据え置くとともに、2%の物価上昇率目標を安定的に実現するため「必要な時点まで、金融緩和を継続する」との姿勢を示した。

4月8日に任期満了を迎える黒田東彦総裁にとって最後の定例会合。黒田総裁は10日午後に記者会見し、決定内容を説明する。

日銀は足元の景気に関し、「個人消費は物価上昇の影響を受けつつも、緩やかに増加している」と指摘。輸出や生産は「横ばい圏内の動きとなっている」とした。国内経済の先行きについては「新型コロナウイルス感染症や供給制約の影響が和らぐ下で回復する」との予想を示した。

日銀は昨年12月、長期金利の変動幅の上限を0.25%から0.5%に引き上げた。10年物国債の利回りだけ低く抑えられている「市場のゆがみ」の是正を狙った。今年1月には、金融機関に低利で資金を貸して国債購入を促すため「共通担保資金供給オペレーション」を拡充し、長短金利操作による緩和を続けながら金利安定化を図っている。

金融政策決定会合に出席するため、日銀本店に入る黒田東彦総裁=10日午前(代表撮影)金融政策決定会合に出席するため、日銀本店に入る黒田東彦総裁=10日午前(代表撮影)

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