親からの「むち打ち」被害報告=エホバの証人、信者の子ら―厚労省

社会

宗教団体「エホバの証人」の信者の子どもらの有志でつくる団体が14日、革ベルトや電気コードなどを使った手製の「むち」による親からの体罰(むち打ち)に関する実態調査の結果をまとめ、厚生労働省に提出した。団体は「こうした体罰は組織的に行われている」と訴え、同省に適切な対応を求めた。

調査は2021年9月にインターネット上で実施。全国の10~60代の元信者や信者の子どもなど255人が回答した。

「むち打ち」が始まった年齢は、約3割が「3歳未満」と回答。就学までに被害を受けた人は約4分の3に及んだ。

被害を受けた理由(複数回答)を尋ねると、「教団の集会での居眠りや私語」などが207人に上り、「親に口答えをしたから」「学校の子と遊んだから」との証言もあった。後遺症としてうつ病などに悩まされているとの訴えも寄せられた。

自身も被害を受けたという綿和孝さん(44)=仮名=は「小さい頃、教団の集会で子どもたちが広い部屋に連れ込まれて悲鳴を上げていた光景は今でも忘れられない」と話し、教団に対し「きっちり過去の反省をしてほしい」と強調した。

エホバの証人をめぐっては、今年2月に信者の子どもらを支援する弁護団が結成され、「むち打ち」に関する相談も寄せられている。

エホバの証人の日本支部は、今月1日に出した声明で「児童虐待を容認していません。エホバの証人の出版物は一貫して、子どもを愛情深く教え導くよう親に勧めてきました」としている。

厚生労働省=東京都千代田区厚生労働省=東京都千代田区

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

時事通信ニュース