飛ばず臭わず、新種カメムシ=小笠原諸島で発見―東京農業大など
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東京農業大などの研究チームが、世界自然遺産の小笠原諸島で新種のカメムシを発見し、「オガサワラシロヒラタカメムシ」と命名した。体長は3ミリ前後で、羽が退化して飛ばなくなり、独特の臭いも発しないという。論文は17日までに、国際学術誌ズーキーズ電子版に掲載された。
同大大学院生の嶋本習介さんらは2021~22年、小笠原諸島で野外調査を実施。父島と弟島で発見したカメムシを顕微鏡で観察したところ、羽が短いなどの特徴があり、シロヒラタカメムシ属の新種と分かった。
他の同属カメムシと異なり、見つかった新種は空を飛ばなくなっていた。島では飛ぶと風の影響で海まで流される恐れがあり、羽が退化した可能性がある。カメムシは身を守るために臭いを発することで知られるが、新種からは臭いがしなかった。
嶋本さんは「独自の進化をした固有種の発見は、小笠原諸島の世界自然遺産としての価値を高める」と指摘。こうした固有種を守るため、外来生物の流入対策が必要だと訴えた。
新種のオガサワラシロヒラタカメムシの成虫(嶋本習介さん提供)
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