女川原発差し止め認めず=「危険性立証すべき」―仙台地裁

社会

東北電力女川原発2号機(宮城県石巻市、女川町)の事故時の避難計画には実効性がないとして、地元住民らが東北電を相手取り、再稼働差し止めを求めた訴訟の判決が24日、仙台地裁であり、斉藤充洋裁判長は差し止めを認めず、訴えを棄却した。原告側は控訴する方針。

訴えたのは、原発から半径30キロ圏内の石巻市に住む17人。訴訟で原告側は、避難計画の実効性のみを争点とし、計画は放射性物質の付着状況を調べる検査場所の開設時期が不透明で、住民が被ばくする危険性があるなどと主張していた。

斉藤裁判長は、「原発の差し止め請求では、原告が事故発生の具体的な危険性を立証する責任がある」と指摘。原告は女川原発2号機での具体的な危険性を立証しておらず、差し止めは認められないとした。避難計画の実効性については判断を示さなかった。

2号機の再稼働を巡っては、住民側が2019年11月、県と市に再稼働に同意しないよう求める仮処分を申請したが、仙台地裁は20年7月に却下。同年10月、仙台高裁が住民側の即時抗告を棄却した。東北電は安全対策工事を行った上で、24年2月の再稼働を目指している。

原告団の原伸雄団長(81)は判決後の集会で、「肩透かしを食らった。大変疑問に思う判決だ」と話した。

東北電力の話 当社の主張を理解いただいた結果だと受け止めている。

「不当判決」と書かれた紙を掲げる女川原発運転差し止め訴訟の原告団=24日午前、仙台市青葉区「不当判決」と書かれた紙を掲げる女川原発運転差し止め訴訟の原告団=24日午前、仙台市青葉区

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