SMBC日興元幹部ら無罪主張=「株価の安定操作ではない」―相場操縦で初公判・東京地裁

社会

SMBC日興証券の相場操縦事件で、株価安定のため株を買い支えたとして金融商品取引法違反罪に問われた元エクイティ部長山田誠(45)、元副社長佐藤俊弘(60)両被告ら5人の初公判が24日、東京地裁(神田大助裁判長)であった。5人はいずれも「(株価の)安定操作には当たらない」などとして無罪を主張した。

両被告以外の3人は、元専務執行役員ヒル・トレボー・アロン(52)、元執行役員アバキャンツ・アレクサンドル(45)、元部長岡崎真一郎(57)の各被告。

起訴状などによると、山田被告らは2019~21年、市場外で大株主から株を買い取って投資家に転売する「ブロックオファー」取引で10銘柄に大量の買い注文を入れ、相場の安定を図ったなどとされる。

検察側は冒頭陳述で、被告らは同取引について「確実に収益を得られる重要な商品と位置付け、賞与額に大きく影響すると捉えていた」と指摘。株価が下がると大株主から取引中止を求められる可能性があるため、相場の安定を図ったとした。

証券取引等監視委員会から株の買い付けについて照会を受けた際、山田被告が他の被告らに「値段を動かさないようにしたという言い方をするのはまずい」と発言していたことも明らかにした。

山田被告の弁護側は冒頭陳述で、「買い付けは一般投資家に誤った判断をさせるためではなく、会社に利益をもたらす目的だった」などと述べた。

東京地裁=東京都千代田区東京地裁=東京都千代田区

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