「責任重い仕事、努力尽くす」=新旧宮内庁長官が会見

社会

24日付で宮内庁長官に就任した黒田武一郎氏(65)と、前任の西村泰彦氏(70)が25日、庁舎内で記者会見に臨んだ。黒田氏は「極めて責任の重い仕事。微力だが、努力を尽くしたい」と抱負を述べた。

皇室の現状について「安定的な皇位継承という観点から課題があり、また、皇族数の減少は皇室のご活動との関係で課題がある」と指摘。国会に対し「議論をしっかり進めていただきたい」と要望し、「さまざまな機会を通じ、問題の重要性について説明していきたい」と語った。

黒田氏は2023年12月に次長に就任。この2年間で、皇室は「国民の心のよりどころ」と感じたとし、活動を伝える広報のさらなる充実や、陵墓などの皇室財産の適切な管理を課題として挙げた。

西村氏は16年9月に次長に就任し、代替わりを経て、19年12月から長官を務めた。在任中を振り返る中で、同月の宮城、福島両県の台風被災地で天皇、皇后両陛下と面会した被災者が涙ぐんでいたことを「今も胸にぐっと来るものがある」と感極まりながら回顧。昨年の能登半島地震の被災地訪問にも触れ「国民の苦しみを共に分かち合うご活動の重要性を感じた」と語った。

在任中に皇室制度の議論が進まず「じくじたる思い」だったと明かし、「拙速な議論は避けるべきだが、多くの国民が支持する案を作っていただきたい」と求めた。

記者会見する宮内庁の黒田武一郎新長官=25日午後、同庁記者会見する宮内庁の黒田武一郎新長官=25日午後、同庁

記者会見する宮内庁の西村泰彦前長官=25日午後、同庁記者会見する宮内庁の西村泰彦前長官=25日午後、同庁

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