ネットの攻撃、選手どう守る=24時間態勢で投稿監視―ミラノ・コルティナ五輪
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【ミラノ時事】各競技や選手への注目度が一気に上がる五輪・パラリンピックで、誹謗(ひぼう)中傷から選手をどう守るか。近年問題となっているインターネット上での不適切な投稿に対し、日本オリンピック委員会(JOC)などが本格的な対策に乗り出している。
JOCは昨年、日本パラリンピック委員会(JPC)と共同で、人工知能(AI)を使ってSNS上の投稿を監視すると発表。9月に開催された陸上の世界選手権東京大会で実施したモニタリングでは、誹謗中傷に該当する投稿が約500件見つかり、約230件の削除要請を出した。内容は侮辱や差別、性的中傷が大半。JOC関係者は「削除要請に至らないグレーゾーンの内容もある。選手を傷つける可能性のある投稿は、実際にはもっと多い」と明かす。
2024年パリ五輪では、ボクシング女子で性別を巡る論争が起き、選手がインターネット上で激しい攻撃にさらされた。国際オリンピック委員会(IOC)によると、パリ大会期間中、参加選手や関係者への中傷と判定された投稿は1万200件以上に上ったという。
ミラノ・コルティナ五輪で、JOCとJPCは日本と開催地ミラノに拠点を置き、24時間態勢での監視を予定。専門チームの担当者は「タイムリーに動くことが非常に重要。世界陸上などでの取り組みを通じ傾向が分かったことで、対策につなげられたのは大きい」と言う。
誹謗中傷への問題意識が一般に広がる一方で、現状の対応はサービス管理者への削除要請にとどまる。抑止力をどう高めていくか。柔道女子の五輪金メダリストでJOC理事の谷本歩実さんは、攻撃的な投稿が試合直後に増える傾向に着目。専門家による細かい解説や、競技団体からの情報公開が被害抑制につながると指摘し、「不可解に見える判定も、説明を受ければ納得できる場合がある。周囲も協力して、選手を守る発信をしてほしい」。包括的な取り組みに期待した。
東京五輪体操女子個人総合の試合後、SNSでの誹謗(ひぼう)中傷被害について語り、涙を見せる村上茉愛さん=2021年7月、東京・有明体操競技場
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