動かぬ拉致、「考えなかった」=横田早紀江さん、90歳に

社会

北朝鮮に拉致された横田めぐみさん=拉致当時(13)=の母早紀江さんは4日、90歳の誕生日を迎えた。同日までに報道各社の取材に応じ、「誰でも年齢を重ねるが、考えなかったような人生。こんなに長い間、問題を解決できない日本の姿が今は悲しい」と事態が動かないむなしさを語った。

めぐみさんは1977年、中学1年のときに新潟市内で拉致された。48年間会えないままで、「一緒にいれば皆さんと同じように幸せに暮らせたはずなのに、果てしない苦しみだ」と胸の内を語った。

数年前に狭心症で倒れたことを明かし、「少しでも長生きしないといけない」と語った。解決に向けて、「北朝鮮に行き、思いを伝えたい。自分はどうなってもいい」と覚悟をにじませた。

8日に投開票される衆院選については「なぜ今解散なのか」と疑問を呈すとともに、「国民の生命を取り返すことが最初にやるべきことだ」と訴えた。北朝鮮は被害者家族が高齢化し、亡くなることを待っていると話し、「日本は何もできないと思われたままでいいのかと力の限り言いたい」と語気を強めた。

拉致被害者の有本恵子さんの父明弘さんが昨年2月に亡くなり、政府が認定した未帰国の被害者の親世代は早紀江さん1人になった。「1人でも生きていれば話ができる。日本中が力を合わせ、被害者を取り返したい」と協力を求めた。

90歳の誕生日を前に取材に応じる横田早紀江さん=1月27日、川崎市90歳の誕生日を前に取材に応じる横田早紀江さん=1月27日、川崎市

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