インドネシアでMOF利用のガス容器に期待=ノーベル賞の北川氏開発
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【ジャカルタ時事】昨年ノーベル化学賞を受賞した北川進・京都大特別教授が開発した「金属有機構造体(MOF)」。この技術を使った新型のガス容器がインドネシアで有効なガスの輸送手段になると期待され、商用化に向けた実証実験が行われている。
新型容器は、北川氏が顧問を務めるスタートアップ企業アトミス(神戸市)の「キュビタン」。内部に極小の穴が無数に開いたMOFを使い、高さ30センチ程度の立方体に近い容器にガスを圧縮・貯蔵することで、従来のガスボンベより効率的な輸送が可能となる。
同社は2022年ごろからインドネシアでキュビタンの実証実験を続けてきた。年内に一般家庭で試験し、27年の販売開始を目指している。
4日にジャカルタ郊外で記者会見した北川氏は、インドネシアではガス管網が都市部に限られ、地方部では整備が不十分だと説明。「ガスを配達する必要があり、コンパクトなキュビタンの需要は非常に高い」と強調した。
インドネシアはパーム油の世界一の生産国。製造過程でメタンガスが生成されるが、輸送が難しく十分に活用されていない。キュビタンを使えば国産メタンガスの運搬が容易になり、輸入に頼っているLPガス(プロパンガス)への依存度を下げることができる。
一方、日本では法規制のためキュビタンのようなガスボンベの使用はまだ認められていない。アトミスはインドネシアでの実証データを蓄積し、規制緩和を求めていく方針だ。北川氏は、「いつか日本がこのシステムを輸入するかもしれない」と語った。
ガス容器「キュビタン」を持つ北川進・京都大特別教授=5日、ジャカルタ
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