偽情報、8割を「事実」と誤認識=情報源「テレビ」が最多―衆院選で東洋大調査

社会

8日投開票の衆院選期間中に広まった代表的な偽情報について、見聞きされたうちの8割が「事実」だと認識されていたことが17日、東洋大の小笠原盛浩教授(情報社会学)の調査で分かった。情報に接した経路はテレビが最も多かった。小笠原教授は「短い選挙期間に大量の偽情報が拡散しており、テレビなどの検証報道が対応しきれなかったのではないか」とみている。

8日夜の投票締め切り直後から10日にかけて、18~79歳の有権者1800人を対象にインターネット上で実施。選挙期間中に報道機関などが「誤り」と判定した代表的な5件について、見聞きしたかや事実と思ったかなどを尋ね、1793人から回答を得た。

調査結果によると、5件のうち1件でも見聞きした人は半数余りの921人。1人が複数件接した場合も含め、情報が事実だと思った「誤認識率」は79.9%に上った。

最も見聞きした人が多かったのは、「マンション高騰は外国人が投機目的で購入しているからだ」で、回答者の4割余りを占め、うち89.6%が事実だと認識していた。他にも「中道改革連合の斉藤鉄夫共同代表が『人間より他にもっと大事なものがある』と発言した」や「こども家庭庁を廃止すれば減税分の税源を賄える」の誤認識率はいずれも約73%だった。

偽情報に接した経路はテレビが最多の32.7%で、ニュースサイト・アプリ22.7%、SNS20.0%と続いた。誤認識率はいずれも7割以上だったが、テレビが84.9%と最も高く、友人・家族との会話(82.4%)、ニュースサイト・アプリ(80.3%)と続いた。

小笠原教授はテレビ報道が偽情報拡散のきっかけとなった可能性を踏まえ「ファクトチェックを報じる際には誤認されない工夫を」と要望する。一方で、生成AI(人工知能)による巧妙な偽動画などが広がっていることから「個人で情報の真偽を見極めることが困難になっており、信頼できる情報にアクセスしやすい環境の整備が必要だ」と訴えた。

◇調査対象の偽情報

内容                             接触率  誤認識率

マンション高騰は外国人が投機目的で購入しているからだ     44.4 89.6

中道共同代表が「人間より他にもっと大事なものがある」と発言  10.7 72.9

中道の街頭演説の聴衆の動画はAIで生成された         11.8 67.0

こども家庭庁を廃止すれば減税分の財源を賄える         15.6 72.8

高市首相の街頭演説の聴衆写真は大みそかの渋谷カウントダウン映像 5.9 65.1

(単位は%、東洋大小笠原盛浩教授の調査結果資料より)。

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