日銀、再び利上げ見送り=中東情勢悪化で「リスク重視」
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日銀は19日、金融政策決定会合を開き、政策金利を現行の「0.75%程度」に据え置くことを決め、2会合連続で利上げを見送った。植田和男総裁は会合後の記者会見で、「原油価格上昇に伴うリスクシナリオが新たに登場し、これを重視した」と説明。「景気をどの程度下押しする可能性があるかを今後点検する」と述べ、中東情勢悪化の影響を慎重に見極める方針を示した。
日銀は利上げの判断に際し、一時的な要因を除く基調的な物価上昇率を重視している。植田氏は先行きの基調物価に関し、「上下双方向に変動し得る」と指摘。景気悪化で下振れするリスクと、原油高や円安で押し上げられるリスクの両方があるとの見解を示し、「もう少し情勢を見た上でどちらが重要かを判断していきたい」と語った。
今回の会合では、9人の政策委員のうち上方リスクを重視する委員が若干多かったという。
今後の政策運営を巡っては、景気動向などを踏まえた上で、「最終的に2%の物価安定目標の持続的・安定的実現という観点から、最も適切な対応を選択する」と強調。原油高で経済成長率が低下した場合でも、基調物価の上昇傾向が続けば「当然利上げは可能だ」と述べた。
また、植田氏は景気を刺激も抑制もしない「中立金利」の見直しを進めていると明らかにした。中立金利も利上げ判断で重視する指標の一つで、現在の推計値は1~2.5%。最新のデータを踏まえて再推計し、より丁寧な情報発信につなげる狙いがある。
今回の会合では、高田創審議委員が国内物価の上振れリスクが高いとして「1.0%程度」への利上げを提案したが、反対多数で否決された。日銀は会合後に公表した声明文で、経済・物価情勢の改善に応じ、引き続き利上げを行う方針を改めて明記した。
金融政策決定会合を終え、記者会見する日銀の植田和男総裁=19日午後、日銀本店
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