高市首相、裁量労働制に触れず=連合メーデーに初出席

政治・外交

高市早苗首相は29日、東京都渋谷区の代々木公園で開かれた連合のメーデー中央大会に初めて出席した。今年の春闘で5%超の賃上げが3年連続で実現したと誇示。「賃上げ環境の整備に万全を期す」と述べ、物価高対策もアピールした。自身が意欲を示す裁量労働制の拡大については言及しなかった。

首相はイラン情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の高騰に関し「供給の偏りや流通の目詰まりを一つ一つ確実に解消する」と述べ、不安解消に全力を挙げる考えを表明。超党派の「社会保障国民会議」にも触れ、「税や社会保険料の負担に苦しむ中・低所得の方々の負担を軽減する。これが大きな目標だ」と強調した。

連合の芳野友子会長はあいさつで「裁量労働制の拡充は不要だ」と訴え、首相をけん制した。メーデーは「140年前に長時間労働や低賃金が発端となって始まった」と指摘。「労働時間の長時間化による生産性向上という140年以上も前の轍(てつ)を踏むような、精神論的手法ではなく、まずは労働の価値を認め、十分に報いることを実行に移してほしい」とくぎを刺した。

現職首相のメーデー出席は岸田文雄氏(2023、24年)、石破茂氏(25年)に続き4年連続。高市氏にとっては、中道改革連合や国民民主党を支援する連合との距離を縮めたいとの思惑もある。ただ、連合が求める選択的夫婦別姓の導入に高市政権は否定的だ。

第97回メーデー中央大会であいさつする高市早苗首相=29日午前、東京都渋谷区第97回メーデー中央大会であいさつする高市早苗首相=29日午前、東京都渋谷区

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