政府の能力が問われている
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政府と東京電力の危機対応
東日本大震災から2週間以上たった。震災の死者・行方不明者は27000人を超えた。被災者に対する緊急支援もようやく軌道に乗った。しかし、東京電力福島第1原子力発電所の危機はまだ続いており、菅直人首相も、3月25日、原子力発電所の状況は予断を許す状況には至っていないと述べた。東京電力では、技術系幹部が意思決定中枢におらず、それが危機対応において、さまざまな問題を引き起こしたという。これが当たっているのであれば、今回の事故において、東京電力が原子力損害賠償法に定める免責の対象になることはありえない。
同時に、原子力発電所の事故についても、放射性物質の食物、水などへの影響についても、政府が一切、何も隠していないだろうことは、改めて確認しておきたい。これは極めて簡単な理由による。仮に政府が何かを隠したとして、そんなものは数日中にどこかから漏れてしまう。そのとき政府はまた攻撃されるし、それよりもっと重要なこととして、そんなことをすれば、原子力政策の前提となる国民的信頼と国際的信用が失われてしまう。政府の危機対応が素晴らしいとはもちろん言わない。しかし、政府はそれほど馬鹿でもない。
震災以外の重要課題はなくならない
震災は、いま日本が直面するさまざまの課題への対応にも大きな影響を及ぼしつつある。内閣府の総合科学技術会議有識者会議は、昨年暮れに本会議で承認された第4次科学技術基本計画案の見直しを決定した。また国家戦略局では、特に少子高齢化の進展を念頭において、地方における行政、医療、福祉、教育等の一体的取り組みを考え始めたようである。
こういうことは重要である。しかし、困ったこともある。例えば、枝野官房長官は、25日の記者会見で、政府が6月に結論を出す予定だった社会保障と税の一体改革とTPP参加問題について、決定先送りがありうるとの認識を示した。当たり前のことであるが、震災があろうとなかろうと、日本の少子高齢化は進むし、世界的な自由貿易拡大の流れも変わらない。震災対策で手が回らないから他の重要課題について政策決定ができないというのでは、政府の能力が問われる。
(3月27日 記す)