第3の奇跡へ
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東日本大震災から1カ月余り。犠牲者、行方不明者が2万7千人を超え、今なお苦しむ人々がいる。未曾有の国難である。復旧・復興の道のりは険しい。全国民が心を合わせ、自分にできることを着実に実行していくことが必要だ。経団連も震災直後から行動を開始した。対策本部が日々、被災地とホットラインで連絡を取り合い、救援物資の輸送円滑化などにより、現地の今を支えている。米倉会長を委員長とする「震災復興特別委員会」は、政府に必要な施策の実行を求める一方で、支援活動の要として経団連会員の力を結集している。
産業の振興なくして生活基盤は維持できない
政府には何よりも、迅速かつ泰然と指揮し、決然と命令を下せる司令塔を確立してもらいたい。厳しい避難所生活で余震におびえる人々を一刻も早く救うには、政治の力が不可欠である。やるべきことは多い。復興に係る基本法を早期に制定する。復興基本計画を策定、実践する。震災復興庁を東北に設置する。一刻の猶予も許されない。産業の振興なくして、被災者の生活基盤は維持できない。そのためには、税制、金融面の特別措置や各種法制度の特例的な対応も必要となろう。
震災からの復旧・復興が最優先課題であることは当然である。しかし、それをもって、急速な少子化・高齢化や極めて深刻な財政状況など国の将来を左右する重要な問題を看過してよいことにはならない。復興に向けて、まずは大胆な予算の組み替えが不可欠である。それでも足りない財源については、国際的な信認を失うことのないよう、中長期的な財政健全化の道筋を示しながら、国民に理解を求め、臨時的な国債発行や時限的な増税を検討せざるを得ない。
潤った大地には、奇跡の芽が
今回の震災では、日本の素晴らしさが浮き彫りになった。苦境にあっても冷静な国民の行動、気遣い支え合う思いやりの心、自衛隊・警察・消防・海上保安庁はじめ関係者の命がけの救援・復旧作業、若者を中心に盛り上がるボランティア活動、枚挙にいとまがない。かくも気高く頼もしい国が立ち上がれないことはない。ありがたいことに、諸外国も支援の手を差し伸べてくれている。
「これからも皆が相携え、いたわり合って、この不幸な時期を乗り越えることを衷心より願っています」
天皇陛下は被災者と国民に向けこう仰せになられた。優しく、力強いお言葉は、傷つき疲れ、不安でくじけそうになっている国民一人ひとりの心に、慈雨のように染み入った。潤った大地から、やがて芽はふき、実りの時を迎える。心に火の灯った日本人は怯まない。後戻りもない。底力で踏ん張り、明治維新、戦後復興に続く、第三の奇跡を必ずや実現させる。全国民が手を携え、共に苦難を乗り越え、日本を再生する。経団連もその勇者の行進に連なっていく。復活の日は、遠くて近い。
(2011年4月14日 記す)