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フィギュアの祭典「ワンダーフェスティバル2016」

文化

売る方も買う方も、やっぱりみんなマニアだった! ガレージキット・フィギュアの祭典「ワンダーフェスティバル2016サマー」が今年も幕張メッセで、熱く、熱く、開幕!!

2016年7月24日、幕張メッセで「ワンダーフェスティバル2016サマー」が開催された。

「ワンダーフェスティバル」は毎年、夏と冬に開催され、今回は1800以上の個人やメーカーがディーラーとして参加。総入場者数は52000人以上だった。

幕張メッセ国際展示場1~8ホールを埋め尽くすガレージキット・フィギュアが大集合!

自分たちの欲しいモノを作る

「ワンダーフェスティバル」を主催するのは模型・造形フィギュアを企画・制作・販売する(株)海洋堂。海洋堂は模型店として出発し、80年代にガレージキット・ビジネスを開始した。もともと、自分たちが欲しかったけれど、メーカーが作ってくれなかったモノを作るというコンセプトは、ガレージキットの精神として継承され、多くのアマチュアディーラーが参加する「ワンダーフェスティバル」として結実した。

海洋堂ブースにて。近日発売予定の「ウルトラマン」。人が入ってる感、抜群です!

ガレージキットとは、レジン・キャスト(二液混合によって硬化するプラスティック樹脂をシリコンゴム型に注入して作る)によって成型された少数生産のマニア向け組み立てフィギュア(アニメやマンガ、ゲームのキャラクター・モデル)のこと。

アニメ、マンガ、ゲームなどのキャラクターは平面的な存在で、立体的なモデルがあるわけではない。そうした2次元のキャラクターを3次元化、つまり立体化するには、次元間の整合性をごまかすというか、創造する必要がある。

膨大な数のフィギュアが一堂に会す

会場は大まかに3つの巨大なブースに別れており、最も巨大なブースはアマチュアディーラーが出展するブース。ここが「ワンダーフェスティバル」のメイン会場。プロ級の造形師によるメーカー顔負けのフィギュアもあれば、「アマチュアなんだからこんなモンでしょ」というようなレベルのフィギュアまで、さまざまなレベルのフィギュアが並ぶ。男性向けの萌え系フィギュアやメカ・フェティッシュなフィギュアだけではなく、女性向け美少年・美男子フィギュアも多く出展され、女子たちの熱い視線も集めている。

『進撃の巨人』リヴァイ兵長の胸像! 女子たちの熱い視線を受けてました!

フィギュアだけでなく、最近注目を集めているのがドール。素体と呼ばれるフィギュアに顔を描き、着せ替え人形のように装わせるのを楽しむ。着せ替え人形と言えば「リカちゃん」や「バービー」のように、女子向けのおもちゃだったが、最近では、むしろ男子にも人気がある。素体のパーツをさまざまに組み合わせてオリジナルフィギュアを作るのも人気だ。

次に大きいのは企業(メーカー)ブース。今ではアマチュアディーラー出身の原型師(レジン・キャストの元になる型を作る人)が作るフィギュアもメーカーから発売されているため、このブースにも、自分で作るフィギュアの参考にしようとするマニアたちで長蛇の列が出来ている。近日発売予定のフィギュアの陳列や「ワンダーフェスティバル」限定フィギュアの発売、イベントなども行われている。

艦隊これくしょんの「鹿島」が、今年はなぜか人気沸騰! 会場内でいくつも見かけたゾ!!

最後のブースは18禁・成人向けブース。「全裸や半裸のフィギュアという表現形態をこの先も末永く守って行くための前向きな対処法」ということで、09年夏からの自主規制ブースになった。入場がかなり厳しくチェックされるために、証明書(免許証・パスポート・保険証など)を持参しなかった私(決して未成年には見えない年齢である!)は、入れてもらえなかったので、中がどうなっているのかは残念ながら分かりません。

取材・文=吉村 慎一
撮影=長坂 芳樹

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