建築家がつくる家

住宅探訪(4)光が透過する木の家

文化 暮らし

天井の四辺から光が降り注ぐ正方形の家。1つのスペースを分けるのではなく、中に4つの箱を配置して、ゆるやかにつながる空間を作り出し、その周りを玄関から続く土間が取り囲む。居住空間デザインの発想力が秀逸だ。

光の郭(くるわ)(設計:川本敦史+川本まゆみ[エムエースタイル建築計画]、2013年)。1つの部屋に4つの「箱」を配したメインスペース。左はキッチン、ダイニング、その背後の箱は下が納戸で上が寝室、その奥には玄関脇のソファ、右の箱は両親用の寝室。手前のリビングの両脇の箱は、左が浴室、右がもう1つの納戸/寝室

玄関の土間。庭へと通り抜けられる

寝室とダイニング(左奥)

リビングから見た書斎

東側外観と玄関アプローチ

西側外観と庭

愛知県豊川市にあるこの家には親子4人が暮らす。家族のくつろぎを何より重視した、よい意味での「内向的」な空間になっている。

住人は、度重なる引っ越しを通じて、さまざまな暮らし方を経験してきた。家を建てるにあたって第一に考えたのは「日当たりのよい平屋」だった。両親は、2人の子どもが部屋にこもってしまうことがないように、大きなワンフロアを希望した。その上で、個々のプライバシーにもしっかり配慮がなされている。家族全体のプライバシーが外から守られているのは言うまでもない。

主なコンセプトは、光が降り注ぐ大きな空間を4つの「箱」によってゆるやかに仕切る、というもの。つまり、広い1つの部屋の中に、寝室、浴室、2つの納戸が、箱のように配置されている。納戸の上にはそれぞれ、ロフト式になった子どもたち2人の寝室がある。この配置が、箱の中とその周りにさまざまな空間を生み出すのだが、それらはすべて閉ざされることなくつながっている。

至るところに木材が使われ、温もりの空間を演出している。床にはカエデの寄せ木を張り、壁にはイトスギの合板を用いた。天井の周囲から自然光がたっぷりと差し込むが、屋根の四辺の採光部分に角度をつけて板を組んであるため、日差しは和らげられている。住人は、時間とともに角度を変える太陽の光の下で日中を過ごし、晴れた夜には星を眺めることもできる。

玄関を入るとコンクリートの土間になっており、そこからそのままメインスペース全体をぐるりと一周して囲む構造になっていて、四辺にキッチン、洗面台、トイレ、書斎、収納が配置されている。玄関脇の土間には、ご主人の愛車ハーレー・ダビッドソンと、奥さまお気に入りのソファが隣り合わせで置かれており、そのミスマッチが面白い。2つの背景をなす簡素なデザインとの調和もまた絶妙だ。

動画:光の郭


© Jérémie Souteyrat

撮影=ジェレミ・ステラ(2014年) © Jérémie Souteyrat 文=ヴェロニク・ウルス/ファビアン・モデュイ(原文フランス語) バナー写真=光の郭(くるわ)(設計:川本敦史+川本まゆみ、2013年)東側外観と玄関アプローチ

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