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特集 建築家がつくる家
住宅探訪(7) 三層のデッキがある家

ジェレミ・ステラ【Profile】/ヴェロニク・ウルス【Profile】/ファビアン・モデュイ【Profile】/マニュエル・タルディッツ【Profile】

[2018.07.05]

建築家にとって、周囲の環境と居住空間の関係性は重要なテーマだ。もし家の隣に公園という公共スペースがあったら...? 住人のプライバシーを守りながら、公園の緑を大胆に取り込む発想で、ユニークな空間が生まれた。

デッキの家(設計:手塚建築研究所、2012年)、通りに面した北側外観

ダイニングから見た二階デッキ

書斎とバスルーム

寝室

ダイニング

南側外観とデッキ

公園から見た南側外観

親子4人が暮らすこの家は、東京西郊・小平市の住宅街にある。もとは市の中心街のマンションに住んでいたのだが、そろそろ一戸建てが欲しいと考えたご主人。ちょうど両親がマンションに移りたいと思っていたので、互いの住居を交換し、古い実家を建て替えて住むことになったという。建築家に出した要望は、広いテラス、開放的な共有スペース、大きな本棚があることだった。

家の最大の特徴は、隣接する公園に面した三層のデッキだ。一階のデッキは、やや高床式になっており、公園側の生垣越しに家の内部が見えないよう工夫されている。各層のデッキは高さのある囲いで三方向を覆い、通りや隣家から目隠しする一方、公園側はすき間のあいたフェンスだけで風通しと見晴らしをよくしてある。

一階は寝室、書斎、トイレ、バスルームを配したプライベートな空間、二階はキッチン、ダイニング、リビングのあるオープンな共有スペース、というふうにフロアの用途を分けた。玄関からリビングへと向かう階段に一体化して、大きな書架が据えられている。屋上からは周囲の緑を一望でき、天気のいい日には富士山も見える。

この家ができてからは、外出することが少なくなったという。その代わり、週末になると友人たちを招き、移りゆく季節をデッキで存分に味わいながら、ゆったりとした交流の時間を過ごす。


© Fabien Mauduit & Véronique Hours

撮影=ジェレミ・ステラ(2013年) © Jérémie Souteyrat
文=ヴェロニク・ウルス/ファビアン・モデュイ(原文フランス語)

バナー写真=デッキの家(設計:手塚建築研究所、2012年)、南側外観とデッキ

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  • [2018.07.05]

写真家。1979年、フランス生まれ。東京在住。2001年に大学の工学科を卒業。09年、日本を拠点に活動することを決意。ル・モンド、ウォールストリート・ジャーナル、ELLE、デア・シュピーゲルなど、欧米のメディアで活躍。14年、初写真集『tokyo no ie』をフランスで出版(ル・レザール・ノワール)。17年、その日本版『東京の家』を出版(青幻舎)。

website:www.jeremie-souteyrat.com

建築家。カナダ・モントリオール出身。現在は南仏ニース在住。2008年、ファビアン・モデュイとともに、建築、ランドスケープ、アートを横断する創作活動の促進をめざす集団「A.P.ARTs」を結成。2013年、日本を訪れ、個人住宅をテーマとする研究のため各地を旅する。2016年、ファビアン・モデュイとの共著による『チリ建築ガイド』を刊行。

website:www.a-p-arts.com

建築家。ニース在住。ヴェロニク・ウルスとともに「A.P.ARTs」の共同創設者。近現代建築の研究を進めながら、異なるテーマでさまざまな規模のプロジェクトを手掛ける。ヴェロニク・ウルスと『チリ建築ガイド』(2016年)を刊行。

website:www.a-p-arts.com

東京を拠点とする建築家。株式会社みかんぐみ一級建築士事務所の共同代表であり、明治大学の建築・都市デザイン国際プロフェッショナルコースの特任教授とICSカレッジオブアーツ教授を務める。数々の展覧会で作品を発表。受賞歴多数。展覧会:ARCHILAB 2006「都市に棲む:日本の若手建築家30人による都市環境から捉えた建築デザイン展」、UIA2011 東京大会(第24回世界建築会議)、「東京 2050//12の都市ヴィジョン展」等。著作:『家のきおく』、『Post-officeワークスペース改造計画』、『団地再生計画/みかんぐみのリノベーションカタログ』、『東京断想』。

website:www.mikan.co.jp

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