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特集 建築家がつくる家
住宅探訪(8) 海を見通す家

ジェレミ・ステラ【Profile】/ヴェロニク・ウルス【Profile】/ファビアン・モデュイ【Profile】/マニュエル・タルディッツ【Profile】

[2018.08.07]

亡き父の家を壊し、残された母と自分の家族が暮らすために建て替える。建築家である息子が大切にしたのは、父が選んだ土地から見晴らす海の景色。これを周りの人たちとも共有できるような家に仕上げてみせた。

材木座の家(設計:柳澤潤、2012年)、居間

ダイニングルーム

台所

1階和室

2階テラス

道路側からの外観

北西側ファサード

鎌倉・材木座の海を見下ろすこの家は、建築家が両親から受け継いだ実家を、自分たちが住むために建て替えたものだ。夫を亡くした母にとって、夫婦で人生の大半を過ごした家に一人で住み続けるのは難しいことだった。息子は、彼女が前を向いて進むには、新しい家を建てたほうがいいと考えた。そこに、自分の家族3人も同居すればいいと。

敷地は斜面を切り開いた道路沿いにある。その形状に合わせて、1階を挟んで階上にリビングを、階下に寝室を設けた。そして間の1階には、大きな開口部をつくった。というのも、家の裏手は坂の上にある中学校へと続く通学路になっており、登下校の際に子どもたちが見る海を、自分の家で遮ってしまいたくなかったからだ。

こうして土地の特徴と周囲の環境にうまく適合するように、家の大きさが計算され、形状が決められた。そのおかげで、住む人も通行人たちも、共に素晴らしい眺めを楽しめる家になった。

家の中は場所によって光や眺望もさまざまで、季節に応じてどの部屋をどう使うかで、変化をつけた過ごし方ができる。上の階はよく断熱されて暖房が効き、まるで木でできた巣穴のように冬でも温かい。反対に1階は風通しが良くて涼しく、夏も快適に過ごせる。


© Fabien Mauduit & Véronique Hours

撮影=ジェレミ・ステラ(2013年) © Jérémie Souteyrat
文=ヴェロニク・ウルス/ファビアン・モデュイ/マニュエル・タルディッツ(原文フランス語)

バナー写真=材木座の家(設計:柳澤潤、2012年)、北西側ファサード

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  • [2018.08.07]

写真家。1979年、フランス生まれ。東京在住。2001年に大学の工学科を卒業。09年、日本を拠点に活動することを決意。ル・モンド、ウォールストリート・ジャーナル、ELLE、デア・シュピーゲルなど、欧米のメディアで活躍。14年、初写真集『tokyo no ie』をフランスで出版(ル・レザール・ノワール)。17年、その日本版『東京の家』を出版(青幻舎)。

website:www.jeremie-souteyrat.com

建築家。カナダ・モントリオール出身。現在は南仏ニース在住。2008年、ファビアン・モデュイとともに、建築、ランドスケープ、アートを横断する創作活動の促進をめざす集団「A.P.ARTs」を結成。2013年、日本を訪れ、個人住宅をテーマとする研究のため各地を旅する。2016年、ファビアン・モデュイとの共著による『チリ建築ガイド』を刊行。

website:www.a-p-arts.com

建築家。ニース在住。ヴェロニク・ウルスとともに「A.P.ARTs」の共同創設者。近現代建築の研究を進めながら、異なるテーマでさまざまな規模のプロジェクトを手掛ける。ヴェロニク・ウルスと『チリ建築ガイド』(2016年)を刊行。

website:www.a-p-arts.com

東京を拠点とする建築家。株式会社みかんぐみ一級建築士事務所の共同代表であり、明治大学の建築・都市デザイン国際プロフェッショナルコースの特任教授とICSカレッジオブアーツ教授を務める。数々の展覧会で作品を発表。受賞歴多数。展覧会:ARCHILAB 2006「都市に棲む:日本の若手建築家30人による都市環境から捉えた建築デザイン展」、UIA2011 東京大会(第24回世界建築会議)、「東京 2050//12の都市ヴィジョン展」等。著作:『家のきおく』、『Post-officeワークスペース改造計画』、『団地再生計画/みかんぐみのリノベーションカタログ』、『東京断想』。

website:www.mikan.co.jp

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