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特集 建築家がつくる家
住宅探訪(9) 神社の隣の細長い家

ジェレミ・ステラ【Profile】/ヴェロニク・ウルス【Profile】/ファビアン・モデュイ【Profile】/マニュエル・タルディッツ【Profile】

[2018.09.06]

神社の隣に接した小さな土地に、上にも奥にも細長く伸びた家が建った。建築家の自由な発想が詰まった驚きの空間づくりには、住む人の感覚を日々刺激する外との関係性が明確に意識されている。

O邸(設計:中山英之、2009年)、西側からの鳥瞰(ちょうかん)。神社を囲う朱色の玉垣に接して立つ

北西側からの外観

北側の外から見たホール

台所から2階へ続く階段

階段からホールを見下ろす

2階の子ども部屋からホールを見下ろす

夜の北側ファサード

家は京都市左京区にある。住人は親子5人。ここの出身ではなく、時に閉鎖的と言われることもある古都へは仕事の都合で越してきた。この土地を選んだ決め手は、隣の神社に植えられた見事な桜の木だった。

すっかり魅了されて購入を決めると、知り合いの若い建築家に家の設計を依頼した。彼の感受性やクライアントの話に耳を傾ける姿勢が気に入っていた。建築家に出した要望は、家族全員が自由に過ごせる広い共有スペース。隣人たちが集い、時には政治について語り合い、子どもたちを遊ばせ、料理教室を開けるような空間だった。

家の形は、神輿(みこし)を格納する「神輿殿」を思わせる。「ホール」と呼ばれる広いスペースのある本体部分を中心に、左右にダイニングキッチン、浴室、収納といった生活空間を配し、三方を小さな庭が囲んでいる。寝室は2階と中2階にある。

住人が望んだ驚きでいっぱいの不思議な家。時間の経過や用途によって、さまざまな変化に対応できる。自然、季節、時間と共生する家だ。住人が嫌いだというエアコンは設置していない。冬は結露した窓に子どもたちが指で絵を描く。夏は暑い上階を避けて、窓を開け放しにして風を入れ、家族全員が階下で寝る。虫の出入りもまた自由だ。

動画:O邸


© Jérémie Souteyrat

撮影=ジェレミ・ステラ(2013年) © Jérémie Souteyrat
文=ヴェロニク・ウルス/ファビアン・モデュイ/マニュエル・タルディッツ(原文フランス語)

バナー写真=O邸(設計:中山英之、2009年)、北西側からの外観

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  • [2018.09.06]

写真家。1979年、フランス生まれ。東京在住。2001年に大学の工学科を卒業。09年、日本を拠点に活動することを決意。ル・モンド、ウォールストリート・ジャーナル、ELLE、デア・シュピーゲルなど、欧米のメディアで活躍。14年、初写真集『tokyo no ie』をフランスで出版(ル・レザール・ノワール)。17年、その日本版『東京の家』を出版(青幻舎)。

website:www.jeremie-souteyrat.com

建築家。カナダ・モントリオール出身。現在は南仏ニース在住。2008年、ファビアン・モデュイとともに、建築、ランドスケープ、アートを横断する創作活動の促進をめざす集団「A.P.ARTs」を結成。2013年、日本を訪れ、個人住宅をテーマとする研究のため各地を旅する。2016年、ファビアン・モデュイとの共著による『チリ建築ガイド』を刊行。

website:www.a-p-arts.com

建築家。ニース在住。ヴェロニク・ウルスとともに「A.P.ARTs」の共同創設者。近現代建築の研究を進めながら、異なるテーマでさまざまな規模のプロジェクトを手掛ける。ヴェロニク・ウルスと『チリ建築ガイド』(2016年)を刊行。

website:www.a-p-arts.com

東京を拠点とする建築家。株式会社みかんぐみ一級建築士事務所の共同代表であり、明治大学の建築・都市デザイン国際プロフェッショナルコースの特任教授とICSカレッジオブアーツ教授を務める。数々の展覧会で作品を発表。受賞歴多数。展覧会:ARCHILAB 2006「都市に棲む:日本の若手建築家30人による都市環境から捉えた建築デザイン展」、UIA2011 東京大会(第24回世界建築会議)、「東京 2050//12の都市ヴィジョン展」等。著作:『家のきおく』、『Post-officeワークスペース改造計画』、『団地再生計画/みかんぐみのリノベーションカタログ』、『東京断想』。

website:www.mikan.co.jp

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