シリーズ 現代日本政治の動向
近年の日本の有権者の投票行動

今井 亮佑【Profile】

[2012.01.24]

1990年代後半から総選挙で敗北しなかった自民党は、2009年総選挙に敗北し、民主党に政権の座を譲った。政治学者の今井亮佑氏は、自民党が総選挙で敗北しなかった理由と2009年に敗北した理由を、2種類のグループの有権者の投票行動から説明できると指摘する。

我が国における近年の国政選挙に見られる1つの特徴として、選挙のたびに結果が大きく変動するということが挙げられる。表1は、直近の5回の衆議院総選挙と5回の参議院選挙に関して、各政党の獲得議席数を列記したものである。概して、これら10回の国政選挙の結果は次のようにまとめることができると思われる。すなわち、1996年総選挙、2000年総選挙と2003年総選挙が“自民党敗北せず”、2001年参院選と2005年総選挙が“自民党の地すべり的勝利”、1998年参院選、2004年参院選、2007年参院選と2009年総選挙が“自民党の(完全)敗北”、2010年参院選が“民主党の完全敗北”である。近年の国政選挙の結果を個別に単体として捉えるのではなく、このように並べて見ることで、学術的に検討すべき興味深い論点が浮かび上がる。すなわち、

(1)なぜ自民党は、参院選では改選第一党の座を明け渡すことがあっても、総選挙で敗北を喫することはなかったのか

(2)なぜこの傾向が2009年総選挙で崩れ、政権交代が実現したのか

という2つの論点である。この原因は何に求められるのであろうか。

表1 近年の国政選挙の結果

1996年 総選挙(10月20日投票) “自民党敗北せず”  
与党 自民党239 社民党15 新党さきがけ2 
野党 新進党156 民主党52 共産党26 民主改革連合1 無所属9 
1998年 参院選(7月12日投票) “自民党の完全敗北”  
与党 自民党44 無所属(自民党推薦)1 
野党 民主党27 共産党15 公明党9 自由党6 社民党5 無所属(民主党推薦)12 無所属7 
2000年 総選挙(6月25日投票) “自民党敗北せず”  
与党 自民党233 公明党31 保守党7 
野党  民主党127 自由党22 共産党20 社民党19 無所属の会5 自由連合1 無所属15
2001年 参院選(7月29日投票) “自民党の地すべり的勝利”  
与党 自民党64 公明党13 保守党1 無所属(自民党推薦)1 
野党 民主党26 自由党6 共産党5 社民党3 無所属(民主党推薦)1 無所属1 
2003年 総選挙(11月9日投票) “自民党敗北せず”  
与党 自民党237 公明党34 保守新党4 無所属(自民党推薦)2 
野党 民主党177 共産党9 社民党6 無所属の会1 自由連合1 無所属(民主党推薦)1 無所属8 
2004年 参院選(7月11日投票) “自民党の敗北”  
与党 自民党49 公明党11 
野党 民主党50 共産党4 社民党2 無所属(民主党推薦)4 無所属1 
2005年 総選挙(9月11日投票) “自民党の地すべり的勝利”  
与党 自民党296 公明党31
野党 民主党113 共産党9 社民党7 国民新党4 新党大地1 新党日本1 無所属(民主党推薦)2 無所属(郵政民営化反対派)13 無所属3 
2007年 参院選(7月29日投票) “自民党の完全敗北”  
与党 自民党37 公明党9 無所属(自民党推薦)1 
野党 民主党60 共産党3 社民党2 国民新党2 新党日本1 無所属(民主党推薦)5 無所属1 
2009年 総選挙(8月30日投票) “自民党の完全敗北”  
与党 自民党119 公明党21 
野党 民主党308 共産党9 社民党7 みんなの党5 国民新党3 新党大地1 新党日本1 無所属(民主党推薦)1 無所属5 
2010年 参院選(7月11日投票) “民主党の完全敗北”  
与党 民主党44 
野党 自民党51 みんなの党10 公明党9 共産党3 社民党2 新党改革1 たちあがれ日本1 

 

一因としては、「選挙のタイミング」が挙げられる。総選挙に関しては、与党(の党首としての首相)が実施の時期をコントロールできるため、与党にとって「逆風」の下での選挙を回避することも、逆に「追い風」を受ける中で解散総選挙に打って出ることも可能となる。これに対し参院選に関しては、3年に1度、夏に半数の議員が任期満了を迎えるため、その時点で吹いている「風」が与党にとって「追い風」であろうと「逆風」であろうと、選挙を実施せざるを得ない。その影響が選挙結果にも反映されていると考えられるのである。

もっとも、原因はこれに限られない。総選挙と参院選とで、有権者の投票行動に異なる点があるとすれば、それもまた、影響を及ぼす1つの要因となりうる。

本小論では、「投票行動の決定に際して、政党を重視したか候補者を重視したか」という点に焦点を当てながら、総選挙と参院選における有権者の投票行動の比較分析を行うことで、上記の2つの論点について検討する。

政党重視か、候補者重視か

有権者が選挙区における投票行動を決める際、政党に関わる要因(候補者を公認、推薦している政党に対する好感度や、その政党のマニフェストに対する支持/不支持など)を重視するのか、それとも、候補者個人に関わる要因(候補者の人柄や掲げる政策、政治家としての実績などに対する評価)を重視するのかという問題は、日本の選挙について分析する上で注目すべき、非常に重要な論点である。財団法人明るい選挙推進協会が国政選挙のたびに実施している意識調査には、1972年の総選挙時以来40年近くにわたって一貫して、「今回の選挙では政党を重く見て投票したのか、候補者個人を重く見て投票したのか、一概にはいえないのか」を尋ねる質問項目が組み込まれている。図1-1・図1-2は、この質問項目に対する回答の分布を、総選挙・参院選という選挙の種別に、時系列的に示したものである。この2つの図からは、投票行動の規定要因としての政党・候補者の相対的重要性が、(2007年参院選までは)総選挙と参院選とで異なっていたこと、衆議院の選挙制度改革の前後で大きく変化していることが読み取れる。

出所:財団法人明るい選挙推進協会 意識調査

まず、いわゆる中選挙区制の下で行われた1993年までの8回の総選挙に関しては、選挙ごとのばらつきはあるものの、平均すると、政党を重視する投票者の割合が45.99%、候補者を重視する投票者の割合が41.58%と、両者の比率は概ね1対1であった。1つの選挙区に同一政党(主に自民党)から複数の候補者が立つことの多かった中選挙区制では、政党要因に着目するだけでは、「自民党候補に投票するか野党候補に投票するか」を決めることはできても、「どの自民党候補に投票するか」まで決めることはできなかった。このため、後者の選択を行う際、候補者要因が重要な役割を果たした。候補者重視の投票者が政党重視の投票者とほぼ同数存在したというこの数字は、こうした中選挙区制の制度的特徴を反映していると言える。

一方、同時期(1974年~1995年)の参院選に関しては、自民党が惨敗を喫した1989年を除き、各回の選挙でほぼ同様の数字を示している。1989年以外の7回の選挙について平均すると、政党重視の投票者の割合が48.15%、候補者重視の投票者の割合が37.55%と、前者の方が10%強高い。総選挙とは異なるこうした傾向が参院選で見られる理由としては、参院選の選挙区は半数以上が「一人区」であり、候補者中心の選挙を生み出す、同一政党の候補者間での同士討ちが全体として起こりにくいこと、選挙区が都道府県単位と広いため、個々の有権者と候補者との関係が密になりにくいことなどが挙げられる。

ところが、衆議院の選挙制度改革後、とりわけ小泉純一郎元首相の登場後に行われた国政選挙で、これらの傾向が大きく変化する。総選挙でも参院選でも、政党重視の投票者の比率が一貫して上昇し、候補者重視の投票者の比率が一貫して低下したのである。

参院選に関して、1998年と2007年とで数字を比較すると、政党重視の投票者の比率がプラス14.04%、候補者重視の投票者の比率がマイナス7.75%となっている。その結果、2007年参院選時には、政党重視の投票者が候補者重視の投票者の2倍以上を占めるに至った。

総選挙に関しては、政党重視の投票者の比率は、1996年に43.35%であったのが、2000年に46.08%、2003年に47.00%、2005年に50.30%と、少しずつ上昇したのに対し、候補者重視の投票者の比率は、1996年の43.83%から、2000年の42.85%、2003年の36.48%、2005年の34.97%へと、8.86%低下した。そして、自民党長期政権に終止符を打つこととなった2009年総選挙では、政党重視の投票者の比率が61.23%、候補者重視の投票者の比率が28.98%と、選挙制度改革以降見られるこの傾向に更に拍車がかかり、2005年に比べて前者の比率がプラス10.93%、後者の比率がマイナス5.99%となった。その結果、現在では、総選挙と参院選とで、ほぼ変わらない分布を示すようになっている。衆議院の選挙制度改革の1つの目的は、候補者中心の選挙から政党本位の選挙へと改めることにあった。この意識調査の1996年以降の回答分布を見る限り、総選挙における有権者の投票行動は、制度改革の目指した方向に向かいつつあると言えよう。

このように、衆議院の選挙制度改革後、とりわけ小泉純一郎元首相の登場以降、日本の有権者の投票行動には質的変化が生じている。要約すると、第1に、総選挙でも参院選でも、投票行動の決定に際して政党を重く見る人が増加し、候補者を重く見る人が減少した。第2に、総選挙と参院選とで同じ方向の変化を見せているとはいうものの、2007年参院選までは、両選挙の間に重要な差異が残存していたことも見逃してはならない。すなわち、候補者を重視する投票者の比率は参院選に比べ総選挙においてより高いという、衆議院の選挙制度改革以前に見られた傾向は、2007年参院選までは、統計的に有意なレヴェルで残存していた。そして第3に、上記1点目の傾向に更に拍車がかかったことで、2009年総選挙では、上記2点目の傾向が消失した。投票行動の決定に際して政党を重く見るか候補者を重く見るかに関する有権者の意見の分布が、参院選におけるそれとほぼ変わらなくなったのである。

「風」の影響

ここまで見てきたのは、自らの投票行動を決めた要因に関する、回答者の主観的認識である。この主観的認識は、果たして正確なのであろうか。言い換えれば、政党を重視したと答えた投票者と候補者を重視したと答えた投票者とで、実際に投票行動を規定する要因が異なるのであろうか。異なるとすれば、どのように異なるのであろうか。紙幅の関係から詳細について説明することはできないが、この点についてデータ分析を行って検討してみたところ、次のような結果が得られた。政党重視と答えた投票者の行動は、政党に対する好感度はもちろんのこと、党首に対する好感度や内閣業績評価、政治満足度など、幅広い要因によって規定されている。これに対し、候補者重視と答えた投票者の行動は、候補者要因の他、政党好感度や政治満足度の影響も受けているものの、後二者の影響は、政党重視の投票者におけるそれに比べ、相対的に小さかった。つまり、政党を重視して投票したと回答した人と、候補者を重視して投票したと回答した人とでは、客観的に見ても、投票行動を規定する要因が異なるのである。

ところで、政党に対する好感度や党首に対する好感度、内閣業績評価、政治満足度といった、政党重視の投票者の行動を規定している要因は、日々の政治の動向に左右されて変化しやすいのに対し、候補者重視の投票者の行動を規定する候補者要因は、そうした政治情勢の影響を相対的に受けにくい。その意味で、政党重視の投票者、候補者重視の投票者は、次のように言い換えることができる。すなわち、政党重視の投票者とは、日々の政治状況に対する態度を投票行動に反映させる傾向のある投票者、別の言い方をすれば、「風」の影響を受けやすい投票者であるのに対し、候補者重視の投票者とは、そうした「風」の動きにとらわれず、もっぱら選挙区の候補者に対する態度を判断材料に投票行動を決定する投票者である。

政党重視/候補者重視と投票選択

「風」の影響を受けやすい政党重視の投票者、影響を受けにくい候補者重視の投票者は、それぞれ、近年の総選挙・参院選で、どのような投票行動をとっているのであろうか。図2-1・図2-2は、2000年代に行われた7回の国政選挙について、政党を重視して自民党/民主党に投票した人の比率、候補者を重視して自民党/民主党に投票した人の比率をそれぞれまとめたものである。

出所:財団法人明るい選挙推進協会 意識調査

図2-1を見ると、政党重視の投票者が選択した政党は、選挙のたびに大きく変わっていることがわかる。「小泉旋風」が吹き荒れた2001年参院選では、自民党に投票した人が2000年総選挙に比べ15.77%増加して51.52%と半数を超えた。これに対し2003年総選挙では、自民党を選択した人が38.08%、民主党を選択した人が37.35%と拮抗し、続く2004年参院選では、自民党が31.25%、民主党が43.42%と、民主党が自民党よりも10%以上多くの投票者の支持を集めた。いわゆる「郵政解散」による2005年総選挙では、自民党に投票した人が52.07%、民主党に投票した人が27.51%と、息を吹き返した自民党が民主党の2倍弱の支持を得たが、小泉構造改革の負の遺産が一人区での自民党の苦戦をもたらした2007年参院選(cf. Imai and Kabashima 2008)では、2004年参院選とほぼ同じ分布に戻った。そして2009年総選挙では、自民党への投票者が23.93%まで減少する一方で、民主党への投票者が60.92%にまで増加した。つまり、政党重視の投票者の選挙区選挙における政党選択の分布は、選挙全体の結果と軌を一にして、大きく変化しているのである。

これとは対照的に、候補者重視の投票者の政党選択は、2007年参院選までは、分布が比較的安定している(図2-2)。興味深いことに、2001年参院選を除き、3回の総選挙、2回の参院選で、それぞれほぼ同じ数字を示しているのである。具体的には、自民党候補・民主党候補を選択した投票者の比率は、総選挙に関しては、2000年が自民党43.90%、民主党21.30%、2003年が自民党46.39%、民主党25.39%、2005年が自民党46.38%、民主党25.53%と、いずれも前者が後者を20%強上回っている。参院選に関しては、2004年が自民党37.53%、民主党30.19%、2007年が自民党35.68%、民主党27.04%と、2度とも自民党が敗れているにもかかわらず前者の方が後者よりも高いものの、その差は10%弱と、総選挙における差に比べれば相対的に小さい。

実際の投票行動に関する図2-1・図2-2の分析を通じ、以上のような傾向が明らかとなったことから、政党重視の投票者は選挙時の政治情勢を考慮した投票行動をとりがちであるのに対し、候補者重視の投票者の行動は「風」に対し敏感ではないという先の指摘が妥当であることが、改めて確認されたといえよう。

結び

以上の分析結果を総合すると、本小論の冒頭で掲げた2つの論点に対し、総選挙・参院選の結果に対する「風」の影響のあり方という観点から、次のような解釈を提示できると思われる。

(1)なぜ与党・自民党は、参院選では改選第一党の座を明け渡すことがあっても、総選挙で敗北を喫することはなかったのか

2005年以前の総選挙では、「風」の影響を受けにくい候補者重視の投票行動が、参院選に比べ相対的に多く見られた。この候補者重視の投票を行う人の中では、自民党候補を選択する者が民主党候補を選択する者よりも20%強多かった。このように、漸減傾向にあるとはいえ依然多く存在する候補者重視の投票者に、特定の政党(自民党)を選択する傾向があったことから、2005年以前の総選挙では、その向きによって「風」の影響の程度に違いが見られた。

まず、総選挙時点で自民党に有利な政治情勢にある(「風」が自民党に「追い風」として吹いている)場合には、「風」の向き・強さにかかわらず自民党候補に投票するという、候補者重視の投票者の固い支持に加え、政治の動向を考慮して投票する政党重視の投票者からの票獲得も見込めることから、「追い風」を受けた自民党が大勝することになった。2005年総選挙がその典型例である。

これに対し、自民党が「逆風」の中で選挙を戦うという場合、政党重視の投票者の多くは民主党を選択する。ただ、全投票者の35%ほどを占める、候補者重視の投票者の多くは、そうした「逆風」などどこ吹く風というように、自民党候補への投票を選択した。このために、2005年以前の総選挙では、「逆風」を受けたとしても、自民党が窮地に追い込まれるまでには至らなかったと考えられる(裏を返せば、「追い風」を受けた民主党も、期待されるほどの勝利を収めることができなかったということである)。森喜朗元首相の下で自民党が苦戦した2000年総選挙が、これに該当すると言えるだろう(cf. Kabashima and Imai 2002)。

他方、参院選では、政党重視の投票者が候補者重視の投票者の2倍近く存在する。つまり、選挙が行われた時点の政治状況を考慮に入れた投票選択を行う者が多数を占める。しかも、総選挙とは異なり、候補者を重視する人の投票先の政党に偏りは見られない。このため、参院選では、自民党であろうと民主党であろうととにかく「追い風」を受けた政党が、多数を占める政党重視の投票者の支持を得て、その選挙を制することになる。参院選の結果は、その向きにかかわらず、「風」の影響を反映したものとなりがちなのである。2001年以降の3度の参院選で、順に自民党、民主党、民主党が勝利したのは、まさにその表れである。(※)

つまり、(1)投票選択を行う際、政党重視の投票者は日々の政治情勢を考慮に入れている(すなわち、「風」の影響を受けやすい)が、候補者重視の投票者はあまり考慮に入れていない(「風」の影響を受けにくい)、(2)2007年参院選以前は、参院選に比べ総選挙において、「風」の影響を受けにくい候補者を重視する投票者の比率がより高かった(「風」の影響を受けやすい政党を重視する投票者の比率がより低かった)、(3)候補者重視の投票者の投票先を見ると、2005年までの総選挙では自民党候補への投票が民主党候補への投票を20%強上回っていたが、参院選では相対的にその差が小さかった―こうした傾向が相俟って、2007年までの自民党は、「逆風」が吹いた場合に参院選で改選第一党の座を明け渡すことがあったものの、「逆風」が吹いたとしても総選挙で敗北を喫することはなかったと考えられるのである。

(2)なぜこの傾向が2009年総選挙で崩れ、政権交代が実現したのか

これに対し2009年総選挙では、「風」が自民党に「逆風」として吹く中、政党重視の投票者が候補者重視の投票者の2倍以上存在するという、参院選と同様の状況が生まれた。加えて、候補者重視で自民党候補に投票する人がこれまでの総選挙に比べ10%ほど減少し、逆に候補者重視で民主党候補に投票する人が15%ほど増加するという大きな変化が生じた結果、候補者を重視する人の投票先の政党に偏りがあまり見られないという、これまた参院選と同様の傾向が生じた。その結果、自民党は以前のように「逆風」を跳ね返すことができず、惨敗を喫することとなったと考えられる。

つまり、これまでの総選挙で与党(自民党)にとっての「逆風」を弱める役割を果たしてきた候補者重視の投票者が減少したことで、かつて総選挙と参院選の間で見られた違いがなくなった。その結果、今後は、総選挙でも参院選でも、いかに「風」をつかむかが、政党の選挙戦略上極めて重要な意味を持つこととなると考えられる。 

参考文献

Hino Airo and Ryosuke Imai. 2011. “The Second-order Election Model in the National Context: The Electoral Cycle and Government Popularity in Japan.” Paper prepared for Panel “The Electoral Cycle Revisited” in the 6th ECPR General Conference, Reykjavik, 24-27 August, 2011.

Imai Ryosuke and Kabashima Ikuo. 2008. “The LDP’s Defeat in Crucial Single-seat Constituencies of the 2007 Upper House Election.” Social Science Japan Journal 11: 277-93.

Kabashima Ikuo and Imai Ryosuke. 2002. “Evaluation of Party Leaders and Voting Behavior – an Analysis of the 2000 General Election.” Social Science Japan Journal 5: 85-96.

(※)^ 明推協が実施した調査のデータが公開されていないため、本小論での検討の対象とすることができなかったが、「なぜ、歴史的な政権交代からわずか1年後に行われた2010年参院選で、与党・民主党は苦杯を嘗めることになったのか」という論点についても、このロジックで説明できると思われる。なお、2010年参院選における民主党敗北の要因について検討した論文として、Hino and Imai (2011) 参照。

タイトル背景写真:産経新聞社

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  • [2012.01.24]

首都大学東京大学院社会科学研究科准教授。1977年京都府生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。東京大学法学部助手を経て、2005年から現職。主な論文に「国政選挙のサイクルと政権交代」(『レヴァイアサン』第47号)、「選挙動員と投票参加―2007年〈亥年〉の参院選の分析」(『日本選挙学会年報 選挙研究』第25巻第1号)など。

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