今週の歴史を振り返る:This Week in Japanese History

今週の歴史を振り返る:6月8~14日

6月8日

秋葉原無差別殺傷事件が発生

2008(平成20)年 東京・秋葉原で、トラックで突入し通行人をナイフで刺す「秋葉原無差別殺傷事件」が発生した。この日は日曜日。買い物客でにぎわう大通りに元派遣工の加藤智大(25)が2トントラックで突っ込み、通行人をはねた。加藤は車を降り、殺傷力の強いもろ刃のダガーナイフで次々と人を刺した。7人が死亡し10人が重軽傷を負う大惨事を起こした。加藤は逮捕され「人を殺すため秋葉原に来た。誰でもよかった」などと供述。東京地裁で死刑判決、加藤は控訴、上告したが東京高裁、最高裁で棄却され死刑が確定。

6月9日

皇太子・雅子さま 結婚の儀

1993(平成5)年 皇太子(現天皇)と小和田雅子さま(現皇后)の「結婚の儀」が皇居・宮中三殿で国事行為として執り行われた。結婚の儀には天皇皇后(現上皇夫妻)は出席せず、式後に皇太子ご夫妻は「朝見の儀」で両陛下にあいさつした。ご夫妻は夕刻にオープンカーでパレードし、沿道の市民20万人からの祝福に笑顔で応えた。一般の披露宴にあたる「宮中饗宴の儀」が6月15~17日の3日間、昼夜1回ずつ計6回、皇居豊明殿で行われた。

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6月10日

国立西洋美術館が開館

1959(昭和34)年 印象派の絵画、ロダンの彫刻を中心とする「松方コレクション」を保存・公開するために設立された国立西洋美術館が完成し、開館式が行われた。明治の元勲松方正義の三男で川崎造船の初代社長を務めた松方幸次郎(1866~1950)が欧州で買い付けた美術品の一部がパリで保管されていた。第2次世界大戦後のサンフランシスコ講和条約でフランスの国有財産となったが、日仏友好のため仏政府が日本に寄贈返還。その作品を受け入れるため、建築された本館はル・コルビュジエが設計し、海外にあるコルビュジエの建築作品とともに2016(平成28)年、世界遺産に登録された。

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6月11日

トヨタ創業者豊田喜一郎が誕生

1894(明治27)年 「トヨタ自動車」創業者豊田喜一郎が、発明王として知られた豊田佐吉(豊田自動織機製作所創業者)の長男として生まれた。父の工場で日常的に機械に触れながら成長。米国で自動車を流れ生産するフォード工場を見学し、乗用車製造を志す。戦前に軍用トラックの生産に乗り出し、戦後は朝鮮戦争特需で業績を回復したが、1952(昭和27)年3月27日他界。乗用車の夢はいとこの豊田英二に引き継がれた。

6月12日

元号法が施行

1979(昭和54)年 元号の法的根拠となる元号法が公布され、同日施行された。天皇制の象徴として一部から批判のあった元号は、日本国憲法、改正皇室典範には記述がなく、戦後長らく慣習として「昭和」が使われてきた。今上天皇在位中に法制化が必要として大平正芳内閣が国会に法案提出し、賛成多数で成立。元号法は「元号は、政令で定める」(第一項)、「元号は、皇位の継承があつた場合に限り改める」(第二項)の本則2項のみで、付則で「昭和の元号は、本則第一項の規定に基づき定められたものとする」と法制化された。

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6月13日

鉄人衣笠、連続出場の世界記録更新

1987(昭和62)年 プロ野球広島の衣笠祥雄(1947~2018)が2131試合連続出場を記録。米大リーグ・ルー・ゲーリッグの世界記録を更新した。ピッチャーから死球を受け、けがを押しても出場するその姿から「鉄人」と称された。9日後の6月22日、世界新記録達成をたたえて中曽根康弘首相から国民栄誉賞が授与された。同年に引退するまで連続出場記録を2215試合にまで伸ばした。広島の主砲として活躍し、球団初を含む5度のリーグ優勝と3度の日本シリーズ優勝に貢献した。71歳で死去。

6月14日

サッカーW杯:日本が初のトーナメント進出

2002(平成14)年 国際サッカー連盟(FIFA)ワールドカップ日韓大会で日本がチュニジアを2-0で下し、グループHを2勝1分の1位で通過。FIFA W杯で日本代表が初めて決勝トーナメントに進んだ。後半出場の森島寛晃が、競り合いでこぼれたボールを中央から豪快に蹴り込んで、先制点をゲット。森島は所属するセレッソ大阪の本拠地、長居スタジアムでの記念すべきゴール。2点目は75分、これも後半出場の市川大祐がDFを巧みにかわして右サイドからクロス。ゴール前に飛び込んだ中田英寿が豪快なヘッドでボールを突き刺した。

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バナー写真:パレードで沿道の人々に手を振って応えられる皇太子ご夫妻=1993年6月9日(時事)

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