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出生数が初めて100万人下回る:2016年人口動態推計

社会

厚生労働省がこのほど発表した2016年の人口動態統計(年間推計)によると、同年に生まれた赤ちゃんの数(出生数)は98万1000人と、統計をとり始めた1899年以降初めて100万人を下回る見通しとなった。

1年で31万5000人の人口減

年間の死亡数は129万6000人と、戦後最多に。自然減はこれまで最大の31万5000人で、人口減少のペースが加速している。

日本の人口動態

2016年推計 2015年(確定)  差 人口1000人あたり
2016年推計 2015年確定
出生数(人) 981000 1005677 -25000 7.8 8
死亡数(人) 1296000 1290444 6000 10.3 10.3
自然増減(人) -315000 -284767 -30000 -2.5 -2.3
婚姻数(件) 621000 635156 -14000 5 5.1
離婚(件) 217000 226215 -9000 1.73 1.81

注)2016年10月1日の推計日本人人口を1億2524万5000人として試算
出所:厚生労働省・人口動態調査

日本の出生数は終戦直後の第1次ベビーブーム(1947~49年)には250万人、第2次ベビーブーム(71~74年)には200万人を超えていたが、その後は一貫して減り続け、2007年には死亡数が出生数を上回っている。

婚姻数は前年より約9000件減って、62万1000組となる見通し。これは戦後最少で、人口1000あたり年に5組(10人)しか結婚していない計算になる。

厚生労働省は人口動態を示す統計データについて、欧米・アジア8カ国との比較(下表)を示している。日本は欧州諸国に比べて婚姻率がまだ若干高めである一方、出生率は最も低い。つまり「たとえ結婚してもなかなか子どもを産まない、産めない」社会であることが分かる。

出生率、死亡率などの国際比較

(合計特殊出生率を除き、いずれも人口1000人あたり)

出生率 死亡率 婚姻率 離婚率 合計特殊出生率
日本 2016) *7.8 '16) *10.3 '16) *5.0 '16) *1.73 '15) 1.45
韓国  '15) 8.6 '15) 5.4 '15) 5.9 '15) 2.1 '15) 1.24
シンガポール  '14) 10.9 '14) 5.0 '14) 7.3 '14) 1.77 '14) 1.25
米国  '14) 12.5 '15) *8.4 '14) *6.9 '14) *3.2 '15) *1.84
フランス  '14) *12.0 '14) *8.5 '13) 3.5 '13) 1.91 '14) 2.01
ドイツ  '14) *8.7 '14) *10.8 '13) 4.6 '13) 2.11 '14) 1.47
イタリア  '14) 8.3 '13) 10.0 '13) 3.2 '12) 0.86 '14) 1.37
スウェーデン  '14) 11.8 '14) *9.1 '13) 5.4 '13) 2.81 '14) 1.88
英国  '14) *12.1 '13) 9.0 '11) 4.5 '12) 2.05 '14) *1.81

注:1) *印は暫定値
資料:(1) UN, Demographic Yearbook
(2) U.S. Department of Health and Human Services, National Vital Statistics Reports
(3) Eurostat, Population and Social Conditions
(4) 韓国統計庁資料
出所:厚生労働省・人口動態統計

2048年には1億人の大台割れか

100年前(1917年)には約5500万人だった日本の総人口は、1960年代後半に1億人を突破。2008年の1億2808万人(総務省統計)をピークに減少傾向に転じた。

現在の人口減は年30万人ほどだが、このペースは年々加速すると予想されている。国立社会保障・人口問題研究所が2017年4月10日に発表した「日本の将来推計人口」は、53年には1億人の大台を割って9924万人となり、65年には8808万人になると予想している。実に50年間(2015-65年)で3901万人(当初人口の30.73%)もの減少で、うち生産年齢人口(15~64歳人口)は7728万人から4518万人へと、3210万人(41.5%)も減ることになる。

バナー写真:© MakiEni/PIXTA

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