神社に行こう!

神社に行こう! 神社空間を読み解く④注連縄

文化 暮らし

神社空間は、鳥居、注連縄(しめなわ)、狛犬、本殿などさまざまなパーツによって構成されている。そこに込められた意味を知ることで、神社への理解度がぐっと深まるはずだ。この連載シリーズでは、毎週火曜日と木曜日に、鳥居から社務所に至るまで12の神社アイテムを参拝の順に紹介していく。

注連縄(しめなわ)

七五三縄、締縄などとも書く。神聖・清浄であることを示すために張り巡らし、また渡し掛ける特別な縄のこと。所々に藁(わら)の端を垂らし、また紙垂(しで)を付ける。紙垂とは和紙をカミナリ形に折ったもの。

渡し掛ける注連縄は多くの場合は中央を太く、左右を細く綯(な)うが、張り巡らすものは同じ太さで長く作る。鳥居、神木、拝殿などに掛けられている。

注連縄は拝殿の軒下に必ず掛かっているが、鳥居に掛けられていることも少なくないので、神社へ参詣に行くと、最初に鳥居と注連縄を目にすることになる。また、各家庭の神棚にも渡し掛けられ、正月などには玄関先の注連飾りにもなっている。注連飾りは、歳神(としがみ)を招き入れるための標(しるし)である。

なお本来は麻縄であるが、戦後に新たに作られた法律によって麻の栽培が制限されたため、現在では材料不足を補うために稲藁や麦藁によるものが多い。

出雲大社(島根県出雲市)の注連縄

熊野大社(島根県松江市)の注連縄

(バナー写真:出雲大社の注連縄)

写真=中野 晴生
イラスト=井塚 剛

第5回は「手水舎」です。続けてご覧ください。
▼あわせて読みたい
神社に行こう! 神社空間を読み解く①全体図 【Photos】出雲大社–神々と出会う場所 外国人はなぜ伏見稲荷神社を“クール”と感じるのか
日本人と宗教―「無宗教」と「宗教のようなもの」 日本人の死生観を探究するための三つの扉 日本人にとって神(カミ)とは

観光 神社 建築 宗教 神道 神社仏閣