特集 神社に行こう!
神社に行こう! 神社空間を読み解く⑧玉垣

戸矢 学【Profile】

[2016.06.21] 他の言語で読む : ENGLISH | FRANÇAIS | ESPAÑOL | العربية | Русский |

神社空間は、鳥居、注連縄(しめなわ)、狛犬、本殿などさまざまなパーツによって構成されている。そこに込められた意味を知ることで、神社への理解度がぐっと深まるはずだ。この連載シリーズでは、毎週火曜日と木曜日に、鳥居から社務所に至るまで12の神社アイテムを参拝の順に紹介していく。

玉垣(たまかき)

拝殿の奥に本殿があり、ここに祭神が祀られている。そして本殿の周りには玉垣を巡らして、外界と区切っている。すなわち玉垣の外側が俗界で、内側が神域である。神社の規模などによって玉垣の数は異なるが、最も内側のものを瑞垣(みずがき)と称し、外側のものは玉垣・荒垣・板垣などと称する。ただし伊勢神宮の内宮(ないくう)においては四重の垣が巡らされ、最も内側のものを一の玉垣(または瑞垣)、二番目を二の玉垣、三番目を三の玉垣、四番目を板垣と呼ぶ。

出雲大社(島根県出雲市)の玉垣

榊(さかき)

玉垣の素材は、生木の樹木で囲む柴垣(しばがき)が最も古い形態である。そしてその樹木は、「榊(さかき)」である。木偏に神と書くように、まさに神事のための樹木であって、文字そのものも日本で作られたもので、漢字ではなく国字(和字)である。鎮守の杜は元来は照葉樹林であって、その主要な樹種の一つが榊であった。板垣には榊の玉串が一定の間隔で取り付けられているが、これはいにしえの姿を彷彿させるものだろう。

伊勢神宮(三重県伊勢市)の榊

(バナー写真:出雲大社の玉垣)

写真=中野 晴生
イラスト=井塚 剛

第9回は「本殿」です。続けてご覧ください。

▼あわせて読みたい
神社に行こう! 神社空間を読み解く①全体図 【Photos】出雲大社–神々と出会う場所 【Photos】伊勢神宮 四季の寿(ことほ)ぎ
日本人と宗教―「無宗教」と「宗教のようなもの」 日本人の死生観を探究するための三つの扉 日本人にとって神(カミ)とは
この記事につけられたタグ:
  • [2016.06.21]

歴史作家・神職。1953年埼玉県生まれ。國學院大学文学部神道学科卒業。著書に『神道入門』『富士山、2200年の秘密』『三種の神器 〈玉・鏡・剣〉が示す天皇の起源』『諏訪の神 封印された縄文の血祭り』『氏神事 典』『陰陽道とは何か』『ツクヨミ 秘された神』など多数。

website:『戸事記(こじき)』

関連記事
この特集の他の記事
  • 神社とエコロジー②自然に対して感謝と畏怖を忘れない神道信仰の在り方は、地球環境を守る上で多くの示唆に富むものである。神道は森を保全し、次の世代へ残していく、まさにエコロジーを体現した宗教だ。その精神を継承した鎮守の森の意義を考える。
  • 神社とエコロジー①自然に対して感謝と畏怖を忘れない神道信仰の在り方は、地球環境を守る上で多くの示唆に富むものである。神道は森を保全し、次の世代へ残していく、まさにエコロジーを体現した宗教だ。自然信仰と神社の関係をひもとく。
  • 神社に行こう! 神社空間を読み解く⑫装束神社空間は、鳥居、注連縄(しめなわ)、狛犬、本殿などさまざまなパーツによって構成されている。そこに込められた意味を知ることで、神社への理解度がぐっと深まるはずだ。この連載シリーズでは、鳥居から社務所に至るまで12の神社アイテムを参拝の順に紹介してきた。今回が最終回だ。
  • 神社に行こう! 神社空間を読み解く⑪社務所神社空間は、鳥居、注連縄(しめなわ)、狛犬、本殿などさまざまなパーツによって構成されている。そこに込められた意味を知ることで、神社への理解がぐっと深まるはずだ。
  • 神社に行こう! 神社空間を読み解く⑩神木神社空間は、鳥居、注連縄(しめなわ)、狛犬、本殿などさまざまなパーツによって構成されている。そこに込められた意味を知ることで、神社への理解度がぐっと深まるはずだ。この連載シリーズでは、毎週火曜日と木曜日に、鳥居から社務所に至るまで12の神社アイテムを参拝の順に紹介していく。

ピックアップ動画

最新の特集

バナーエリア2
  • nippon.comコラム
  • in the news
  • シンポジウム報告