Japan Timeline

Timeline for July 2014

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集団的自衛権行使のための憲法解釈変更の閣議決定、北朝鮮への独自制裁の一部解除、台風8号の日本列島縦断など、2014年7月の日本の出来事を振り返る。

1

臨時閣議において安倍内閣が、集団的自衛権の行使を認めるために憲法解釈を変えることを決定。集団的自衛権とは、自国が攻撃を受けていなくても国民に明白な危険があるときなどには自衛隊が他国と一緒に反撃できる権利。歴代内閣は長年、憲法9条の解釈で集団的自衛権の行使を禁じてきたが、安倍内閣は安全保障環境の変化を理由に容認に踏み切った。これにより日本は自国防衛以外の目的での武力行使が可能となる。

富士山山開き。世界文化遺産に登録されて1年がたった今年から入山料を本格導入し、富士山の登山道の安全や保全対策費に充てる。入山料は任意で1,000円となっており、インターネットでの事前支払いも受け付ける。

2

英科学誌『ネイチャー』が、理化学研究所の小保方晴子(おぼかた・はるこ)ユニットリーダーらによるSTAP細胞の論文2本を撤回したと発表。論文は「細胞に外部から刺激を与えるだけで万能細胞に変わる」という内容で、今年1月30日号に掲載された際には「生物学の常識を覆す」として注目された。理研により画像の不正が認定されたうえ、他にも画像の取り違えなどがあったことが理由。

アメリカの大手旅行雑誌『TRAVEL+LEISURE』が毎年発表する「旅行で訪れたい世界の10都市ランキング」で、京都が日本の都市として初めて1位を獲得。2012年は9位、2013年は5位だったが、2013年に「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されたことなどから、審査5項目のうち「文化・芸術」と「レストラン」の項目で評価が高まったとみられる。

4

政府が北朝鮮に対する日本独自の制裁の一部を解除することを閣議決定。1日の日朝政府間協議で、北朝鮮側から示された日本人拉致被害者らを再調査する特別調査委員会において、実効性のある調査ができると判断した。解除するのは、(1)北朝鮮国籍保有者の日本への入国禁止など人の往来の規制、(2)10万円超の現金持ち出しの届け出と、300万円超の送金の届け出義務、(3)北朝鮮籍の船舶の入港禁止、の3項目だが、入港禁止の解除は人道目的に限り、貨客船「万景峰号」の入港禁止や北朝鮮からの航空チャーター便の乗り入れ禁止などの独自制裁は当面維持する。

6-12

安倍首相がニュージーランド、オーストラリア、パプアニューギニアを訪問し、各国首脳と会談。8日のアボット豪首相との会談では、経済連携協定(EPA)と防衛装備品・技術移転協定に署名し、安全保障分野と経済面での関係を一層強化することで合意した。日本の首相としては初めてオーストラリア連邦議会での演説も行った。

アボット豪首相と安倍首相(写真提供=時事、提供元:内閣広報室)

台風・ベネッセ情報流出・マレーシア機撃墜など、激動の7月中旬

8

(写真提供=時事)

気象庁が「7月としては過去最強クラスの台風」として厳重な警戒を呼びかけた台風 8号が沖縄に最接近。10日に鹿児島と和歌山、11日に千葉に上陸した後、温帯低気圧に変わった。この台風による被害は死者3名、負傷者67名、住宅の全半壊と一部破損が124棟で、床上・床下浸水は1384棟だった(7月22日時点、消防庁まとめ)。

11(現地時間。日本時間12日)

小野寺五典防衛相が米国防総省でヘーゲル国防長官と会談。集団的自衛権の行使を容認する新たな憲法解釈を閣議決定したことを、日本の閣僚から米側に初めて直接伝えた。小野寺氏の説明に対し、ヘーゲル氏は歓迎と支持を表明。年内に再改定する日米防衛協力の指針(ガイドライン)に、閣議決定の内容を反映させることで合意した。

13

滋賀県知事選が投開票され、無所属新人で元民主党衆議院議員の三日月大造(みかづき・たいぞう)氏(43)が初当選。「卒原発」を掲げた三日月氏が当選したことで、安倍政権の原発政策に対する根強い批判が示された。自民・公明両党が推薦した小鑓(こやり)隆史氏(47)は接戦の末に敗北。敗因としては知名度不足の上、集団的自衛権行使容認の閣議決定や内閣支持率の急落、「セクハラやじ」など国政の影響も受けた。投票率は50.15%で、前回の61.56%を11.41ポイント下回った。

14

インターネット上に自身の女性器の3Dデータを掲載し、ダウンロードさせたとして、警視庁が、「ろくでなし子」の名前で活動する自称芸術家の五十嵐恵容疑者(42)をわいせつ電磁的記録頒布容疑で逮捕。3Dデータがわいせつ物と認定され立件されたのは全国で初。五十嵐容疑者は「わいせつ物とされるのは納得がいかない」などと容疑を否認し、18日に釈放された。

17

ウクライナでマレーシア航空機撃墜、親ロシア武装勢力によるものと判明した。これで膠着状態だったウクライナ情勢は一転、ロシア・プーチン大統領は窮地に。日本も欧米に同調して制裁強化へ。これにより秋に予定されていたプーチン来日も見直しとなった。通信教育大手のベネッセホールディングスから、顧客情報約760万件を外部に流出させたとして、不正競争防止法違反の疑いで元SE・松崎正臣(まつざき・まさおみ)容疑者(39)が逮捕された。同容疑者は、データベースの保守管理を担当する外部業者からベネッセに派遣されていた当時、営業秘密にあたる個人情報を名簿業者に売り渡す目的で、記憶媒体にデータをコピーして持ち出したという。流出した情報件数は23日時点で2,300万件以上に上ることが判明した。

早くも決まったサッカー日本代表監督など

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(写真提供=時事)

日本サッカー協会が、ワールドカップブラジル大会で日本代表を率いたアルベルト・ザッケローニ前監督の後任として、元メキシコ代表監督のハビエル・アギーレ氏(55)を就任させることを発表。アギーレ氏はメキシコ出身で、選手として1986年W杯メキシコ大会に出場し8強入り。メキシコ代表監督としては、2002年のワールドカップ日韓大会と2010年の南アフリカ大会でチームを16強に導いた。8月上旬に来日して正式に契約を結び、9月5日に札幌で行われる国際親善試合のウルグアイ代表戦から指揮を執る予定。国連の自由権規約委員会が日本に勧告。特定秘密保護法について「国民の知る権利を保障する国際条約と適合するよう、あらゆる措置をとるべき」と指摘したほか、ヘイトスピーチについて「差別や敵意、暴力につながるような人種的優越感や憎悪を助長する宣伝行為を国が禁止するべきだ」とした。さらに、死刑廃止の検討や、従軍慰安婦問題について国家としての責任を認めて公式に謝罪することなど、約20点について指摘した。委員会が発表した文書に法的な拘束力はない。

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舛添要一・東京都知事がソウルの大統領府で朴槿恵・韓国大統領と会談。舛添知事は日韓関係の改善を図りたいとする安倍晋三首相のメッセージを伝えたが、朴大統領は「歴史認識をきちんとすることが親善の第一歩」と答え、日本に歴史認識問題で対応を改めるよう求めた。朴氏が日本の政治家と面会するのは、3月にオランダ・ハーグで開かれた日米韓首脳会談以来で、日韓首脳会談はいまだに実現していない。

(写真提供=時事)

安倍晋三首相が中南米5カ国(メキシコ、トリニダード・トバゴ、コロンビア、チリ、ブラジル)を歴訪し、各国首脳と会談(歴訪は8月4日まで)。中南米諸国との経済関係を強化し、国際社会での連携を確認することが狙い。28日にはトリニダード・トバゴで14カ国が加盟するカリブ共同体と初の首脳会合を行い、 2015年に行われる国連安保理の非常任理事国選挙での支持を訴えた。

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国際自然保護連合(IUCN)が絶滅危惧種を指定する最新版の「レッドリスト」にニホンウナギを指定(6月12日)してから、初となる土用の丑(うし)の日を迎えた。ニホンウナギの代替種として中国から大量に輸入されているヨーロッパウナギに関して、中国は2015年2月以降は日本への輸出を中止すると発表。来年の品薄が予測されている。

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