Japan Timeline

Timeline for December 2015

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自公両党による軽減税率の導入合意、夫婦同姓の合憲判断、日韓両政府による慰安婦問題解決の合意など、2015年12月の日本の出来事を振り返る。

1

「2015ユーキャン新語・流行語大賞」が発表され、プロ野球で2選手が今季達成した「トリプルスリー」(打率3割、30本塁打、30盗塁)と、中国人客ら訪日外国人が家電製品などを大量に購入する「爆買い」が年間大賞に選ばれた。トップ10には、安倍政権が打ち出した「一億総活躍社会」、安全保障関連法案に対する反対運動を展開した学生団体「SEALDs(シールズ)」、ラグビー日本代表・五郎丸歩選手の「五郎丸(ポーズ)」などが入った。

9

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2010年に打ち上げられて、一度は金星を回る軌道投入に失敗していた探査機「あかつき」の姿勢制御用小型エンジンを7日に噴射し、「軌道への投入に成功した」と発表した。「あかつき」はこれまで、本来の予定を外れて太陽の周りを回っていた。日本の探査機が地球以外の惑星を回る軌道に入ったのは初めて。

小説『火垂るの墓』と『アメリカひじき』で1967年の直木賞を受賞。歌手や作詞家、金権政治を批判など多彩な活動で知られた作家の野坂昭如さんが、心不全のため死去した。85歳。

10(日本時間11日)

2015年のノーベル賞の授賞式がスウェーデン・ストックホルムで開かれ、医学・生理学賞の大村智・北里大特別栄誉教授、物理学賞の梶田隆章・東京大宇宙線研究所長が、カール16世グスタフ国王からメダルと証書を授与された。

11

国際宇宙ステーションに約5カ月間滞在した宇宙飛行士、油井亀美也(ゆいきみや)さんが、ロシアの宇宙船「ソユーズ」で中央アジア・カザフスタンに着陸し、地球に帰還。油井さんは日本人10人目の宇宙飛行士として、無人補給機「こうのとり」のドッキングなど重要任務に携わった。

国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在を終え、帰還用ソユーズ宇宙船のハッチから乗り込む油井亀美也さん(上)ら=2015年12月11日[米国のスコット・ケリー飛行士のツイッターより] (時事)

12

安倍晋三首相がインドのモディ首相とニューデリーで会談し、日本の原子力関連技術の供与を可能にする原子力協定の締結で「原則合意」した。日本が核拡散防止条約(NPT)非加盟国と原子力協定を結ぶのは初。またインド西部の高速鉄道計画に日本の新幹線方式を採用することでも一致した。

自民、公明両党が、2017年4月に消費税率を10%に引き上げる際、酒類と外食を除く生鮮食品と加工食品について、税率を現在の8%に据え置く「軽減税率」を導入することで合意した。

スペイン・バルセロナで行われたフィギュアスケートのグランプリファイナルで、羽生結弦が世界歴代最高を更新する330.43点で優勝。史上初の3連覇を達成した。女子は初出場の宮原知子が自己ベストの208.85点で2位。

15

千葉市が新たに国家戦略特区に指定され、2106年度にも小型無人機「ドローン」を使った宅配の実証実験を行う見通しとなった。市内のインターネット通販企業の物流倉庫から荷物を装着したドローンを飛ばし、商品を高層マンションのベランダなどに直接届ける。2020年までの実用化を目指すという。

16

夫婦の同姓義務や女性の再婚禁止期間をめぐる民法の規定が憲法違反かどうかが争われた2つの訴訟の判決で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は、夫婦別姓を認めない規定は合憲、女性は離婚後6カ月以降でないと再婚できないと定めた規定は違憲との判断を初めて示した。再婚禁止期間については「100日を超える部分は違憲」と指摘した。

サッカー女子日本代表(なでしこジャパン)の中心選手としてワールドカップに6大会連続で出場した澤穂希選手(37)が、今季限りの現役引退を発表。17日の記者会見で、「心と体が一致してトップレベルで戦うことが難しくなっている」と語った。

最後の試合となった皇后杯決勝戦の後半、先制ゴールを決め喜ぶINAC神戸の澤穂希(左端)ら=2015年12月27日、神奈川・等々力陸上競技場 (時事)

17

朴槿恵(パク・クネ)・韓国大統領の名誉を傷つけたとして在宅起訴されていた産経新聞の加藤達也・前ソウル支局長の判決公判がソウル中央地裁であり、李東根(イ・ドングン)裁判長は無罪(求刑・懲役1年6月)を言い渡した。裁判長は「虚偽の記事によって朴大統領個人の名誉を傷つけたが、公的な関心事として書かれたもので、中傷する目的があったとは認められない」とした。

18

大阪府知事を3年9カ月、市長を4年務めた橋下徹大阪市長が任期満了で退任。政治家を引退し、今後は国政政党「おおさか維新の会」の法律政策顧問に就く。

21

不正会計で経営再建中の東芝が、国内外で7800人の大規模人員削減を発表。既に決定した半導体関連のリストラを合わせ、1万人以上の削減規模となった。合わせて発表された2016年3月期の業績予想はリストラ関連経費の計上などで、グループ全体の営業損失が3400億円、純損失5500億円と、いずれも過去最大の赤字になる見通しを示した。

22

新国立競技場整備計画の選定結果が決まり、競技場のイラストの前で概要を説明する建築家の隈研吾氏=2015年12月28日、東京都港区

2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場整備計画が決定。大成建設と建築家の隈研吾氏らによるグループの提案が採用された。「木と緑のスタジアム」がコンセプトで、総工費は1489億円余り、2019年11月30日に完成予定。

24

政府が2016年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額は過去最大の96兆7218億円。全体の3割超を占める社会保障費は、前年度比4412億円増の31兆9738億円。防衛費が5兆541億円と、初めて5兆円を超えた。歳入は企業業績の改善などを背景に、5.6%増の57兆6040億円を見込んでいる。新規国債の発行額は6.6%減の34兆4320億円。

福井地方裁判所が、関西電力高浜原発3、4号機について「安全性に欠ける点はない」などとして、運転差し止めを命じた4月の仮処分決定を取り消す決定を出した。関西電力は25日、3号機の原子炉に核燃料を入れる作業を始めた。

28

岸田文雄外相が韓国の尹炳世外相とソウルで会談し、両国は慰安婦問題で妥結した。韓国政府が新たに設立する財団に日本政府が10億円程度を拠出し、両政府で元慰安婦の支援を実施することで合意。両外相は慰安婦問題が「最終的かつ不可逆的に解決」されると共同記者発表で明言。岸田外相は「安倍晋三首相は改めて心からおわびと反省の気持ちを表明する」と述べた。

30

東京株式市場は、日経平均株価の終値が1万9033円71銭で2015年の取引を終えた。前年末終値と比べ1582円94銭(9.1%)の上昇で、4年連続で前年終値を上回った。年末の終値としては1996年以来19年ぶりの高水準。

東芝 ノーベル賞 羽生結弦 新国立競技場