自分を尊敬する意志

—怖くなることってないんですか?

「心配性な一面はあるんですけど(笑)、常にポジティブに考えるんで、怖いと思うことはないです。人見知りとか一切ないんで、そこが強みなのかもしれないですね。監督との関係も、僕は年とか気にしない。今こうやって敬語を使って話してますけど、そういう表面的なリスペクトじゃなくて、内側から、心と心で通じ合いたいんですよ」

—どんな相手にも態度を変えないでいられる?

「普通、偉い人に会ったりしたら、(上品な声に変えて)『初めまして~』とかなるじゃないですか。そういうのダサいと思っちゃうんですよ。僕は『あ、どうも』っていつもと変わらない。政治家でも誰でも、単純に仲よくなって、話してみたいなって思うだけです。どういうことを考えているんだろうって。そんな風に分かり合えたら素敵なことじゃないですか。人が出会うっていいことだし。とにかくコミュニケーション能力だけは『神』です(笑)。自分の中で一番自信があるところかな」

©2019「タロウのバカ」製作委員会
©2019「タロウのバカ」製作委員会

—世の中には自信を持てない人も多いと思いますが...。

「単純に自分のことが好きだし、自信はありますよ。自信というのは、別にナルシストなわけじゃなくて、自分を尊敬するっていう意志ですよね。だから尊敬する人は、って聞かれてもマイケル・ジャクソンとか言わない。僕は自分のことを一番尊敬して、自分はどういう人なんだろうって探るのが好きなんです」

—自分のことはどこまで分かっていますか?

「それはまだ分かんないです。絶対に分からないだろうし、分からなくていいんです。最終地点に着いちゃったらつまんなくないですか?それを永久的に追い求めていくのが僕なのかなって」

—いろいろと活動していますが、本当にやりたいことは?

「映画とか、音楽とか、アートの個展とか、いろいろありますけど、それを通して自分という人を知ってもらう、すべて自己表現だと思っています。つまり単純に僕が表現者であるということであって、自分の中にある何かを表現したいだけなんです。それが何かは分からないけど、とにかく今までになかったことをしたい。いろいろなことをすべて100パーセントで進めて、どれもできたらカッコいいじゃないですか。『こんな人いるの?』って言われるような、新しい型を創り出したいんです」

一番盛り上がれるのは仕事

—新しい型について…、具体的にイメージはありますか?

「自由な、新しい型を作るって、自分の中でも一番難しいんですけど…。例えば、ビートルズのような存在。常に新しいことをして、誰よりも一歩先に行ってた。階級社会の英国で、身分なんて関係なくバッキンガム宮殿に行けて、勲章をもらって、女王のことを『可愛いおばちゃん』て言っちゃうみたいな。どんな場所でもありのままの自分でいられる。そういうところもいいし」

—デヴィッド・ボウイとかシド・ヴィシャス(セックス・ピストルズ)からもインスパイアされたとか?

「昔の人が好きなんですよ。僕にはヴィンテージの心があるのかも。今の若者にはない考え方とか、カルチャーが好き。深みが違うなって思うんですよね。今の時代の人たちは、物事を簡単に見て、簡単に解釈してしまう。突き詰めることを知らない。仕事だったらここまでやるけど、趣味だからここまでしかやらないとか、それってつまんないじゃないですか。僕は何でも全力を出してやっているので」

©2019「タロウのバカ」製作委員会
©2019「タロウのバカ」製作委員会

—映画の中のタロウはテンションが上がって突き抜けてしまうタイプでしたが、自分自身はどうですか?

「似てる部分があるんですよね。でもタロウはすごく孤独で、心のどこかに闇を抱えてる。僕にあんまり闇はないけど(笑)、ちょっと狂っているところ…、エネルギッシュで感覚的に生きているところは似てますね。僕は仕事をしているときが何よりも盛り上がる瞬間なんです。今みたいに、インタビューを受けてるときとか。自分の仕事にプライドを持ってやってるんで。自分を表現できるときが一番楽しいですね」

—映画が公開されて、ますます注目されそうですけど、これから先はどうしたいですか?

「何か新しいものを発信していきたい。人生というのは1枚のアートであって、そのキャンバスに何を描けるかだと思っています。もっと有名になって、この世に名前を残したい。お金も稼ぎたい。単純に、男のロマンが詰まったものが好きなんです。同世代の人たちってあんまりそういうのに興味がないみたい。今の世の中、夢がなくてつまんないなって思います。そういうのをYOSHIという存在で盛り上げていきたいんですよ!」

インタビュー撮影=花井 智子
聞き手・文=松本 卓也(ニッポンドットコム多言語部)

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映画『タロウのバカ』

監督・脚本・編集:大森 立嗣 
出演:YOSHI、菅田 将暉、仲野 太賀、奥野 瑛太、植田 紗々、國村 隼  

9月6日(金)より、テアトル新宿ほか全国ロードショー