スランプを支えてくれた恩師や先輩
——初めてタイトルを獲得した時のことを教えてください。
14歳でプロ棋士になったのですが、16歳の頃に生まれて初めてスランプを経験し、半年間勝てない日々が続きました。プロとしてやっていけるのか不安が募る中、2006年第1回広島アルミ杯・若鯉戦(非公式戦)でやっと優勝することができました。これをきっかけに改めて囲碁がおもしろいと思えるようになり自信にもなりました。その後、東京精密杯第8期女流プロ最強戦で、17歳1カ月で当時の女流棋士史上最年少でタイトルを獲得しました。夢が一つかなってうれしかったです。
——黄孟正(コウ・モウセイ)九段の指導でもっとも印象に残ったものは何ですか?ご自身の得意な戦法などがあれば教えてください。
黄先生には院生(*1)時代からご指導いただいていたのですが、教えていただくというより研究会で他の門下生と一緒に研究するスタイルでした。プロになってからは黄先生と実際に対局することはほとんどないのですが、私の対局前にはいつも励ましやアドバイスを送っていただいています。囲碁は本当に孤独で精神的な強さも必要です。先生のサポートはとても大きくありがたいです。また、先ほどの林海峰先生は台湾にいた頃から憧れの存在で、来日後に先生宅で研究会に参加した際は天にも昇る気持ちでした。プロになってからは張栩先生にお世話になりました。早碁をたくさん打っていただき、さまざまな布石を教えていただきました。本当にありがたかったです。改めて自分はいい先生や先輩に出会えて幸せだと思います。
囲碁の戦法ですが、以前の私は対局の中盤から終盤にかけて力を出すタイプで、序盤は苦しいことが多かったです。一方で、複雑な局面、プレッシャーがかかる局面では実力を発揮していました。まだ研究中ですが、最近は何事もバランスが大切だと思うようになりました。特に実力が上の棋士との対局では序盤に大きく出遅れると挽回が難しくなります。長所を失わない程度にバランスのいい打ち方を心掛けています。
