2020年対策
20年総統選挙に波乱が起きるとしたら、それは台北市長の柯以外に考えられない。柯はユニバーシアード台北大会を成功させ勢いに乗り、世論調査の数字も上昇している。来年の台北市長選挙で再選され、さらに第3勢力を結集して総統を狙う動きを見せるであろう。
蔡政権も野党国民党も、共に支持率が低迷した状態が続くと、柯が旋風を起こす可能性がある。しかし、蔡頼体制が機能すれば、柯は24年に照準を合わせざるを得なくなる。これについて、20年の波乱の芽を摘んだと結論を出すのは早いし、柯はぎりぎりまで挑戦を考えるであろうが、蔡が良い手を打ったことは間違いない。
蔡政権は馬政権と非常に似た動きをしている。共に高支持率で選挙に圧勝、立法院でも過半数を得て高い期待でスタートした。しかし、すぐに失望に覆われる。行政院長には学者あがりの人物を充てたが、どちらも1年3か月で交代した。後任はバリバリの政治家であることも同じだ。呉敦義は一定の実績を上げて、行政院長のまま副総統候補となり、馬は再選に成功した。行政院長が職を維持しながら副総統候補となることを野党は「選挙利用」と批判するが、与党には有利になる。蔡と頼もその道をたどるであろう。
頼の指名は蔡が党内の支持基盤を固め、独立派を静かにさせ、柯の挑戦をけん制し、20年の再選を引き寄せる老練な一手である。自分より人気が高い潜在的なライバルを遠ざけるのではなく、その力を活用する人事であり、民進党にとって現時点で最も有利な党内体制ができたことになる。蔡はここにきて、ようやく政治家らしい決断をしたと言える。
バナー写真=5日、台北市で記者会見後に握手する台湾の林全行政院長(左)、蔡英文総統(中央)、次期行政院長の頼清徳台南市長、2017年9月5日、台湾台北(時事)