最近台湾で、中国との統一促進派がつくる団体「孫文学校」が、総統府を「台湾抗日英烈紀念館」への変更を住民投票で求めようとする運動を展開して、物議を醸したことがあった。
台湾が日本の統治下に置かれた半世紀(1895~1945)。その最高統治機関として君臨したのが台湾総督府である。その庁舎は現在、中華民国総統府として使用されている。今回は壮麗な風格を誇るこの建物の歴史をひもといてみよう。
東洋屈指とうたわれた西洋建築
台湾総督府。現在は中華民国の総統府として使用されているこの建物は、台湾を代表する官庁建築である。赤れんがと花こう岩を混用して造られ、重厚感をまとっている。高層ビルが林立する台北市だが、この建物が放つ威容はまさに別格と言ってもいい。
天気に恵まれれば、赤れんがの壁面が南国の日差しを浴びて、美しく輝く。建物の完工は1919年6月30日。すでに1世紀に近い歳月を経ているが、建物を前にすると、その威容が全く色あせていないことを思い知らされる。
台湾は1895年に締結された下関条約によって、澎湖諸島とともに清国から割譲され、終戦までの半世紀、日本の統治下に置かれた。当初は清国が行政庁舎としていた巡撫衙門と布政使司衙門を総督府の庁舎として使用した。このうち、布政使司衙門は台北植物園に移設され、現在も保存されている。
