観光による成長で生じた不均衡

台南の商業施設圏にある古い家屋の大部分は、土地と建物の所有者と、店舗の経営者が別々だ。台南が観光地化されるにつれ、店舗の売り上げも増えるのは当然だが、大家も強気で値上げを経営者に迫っている。

「因為房租漲,所以快撐不下了(家賃が上がったからもう続けられない)」

知り合いの店主たちの口から、こんな言葉が何度も聞こえてきた。

撤退した店舗の後には新たな経営者が入居する。大家自身が経営に乗り出すこともある。また、土地と建物自体を売りに出し、買い手がさら地から今風の新しい建物を建設することも少なくない。

もちろん短期的な利益を全て無視して、長い目で見た利益だけを追求しろということではない。大切なのはバランスだと思う。「温故知新」、古きを知り、新しさを求めることだが、台南の開発は、これについて改めて冷静に考えるべき時期に入っているのではないだろうか。

神農街のようす(筆者撮影)