未来のために連携したい

人々を長い間苦しめてきたハンセン病は、患者にとってはいわれのない差別との戦いでもあった。いまや薬も治療法も進化して、ハンセン病は不治の病ではなくなったのに、まだ世界のどこかでは無知から来る偏見、差別、迫害によって苦しんでいる人々がいる。患者に対する根強い偏見は、私たちの日常に潜むあらゆる偏見と同根で、決して無関係とは言えない。

現在ユネスコが登録している世界遺産には、戦争と奴隷売買に関するテーマのいわゆる「負の世界遺産」もあるが、ハンセン病をそこに加える運動が世界的に盛り上がることを願っている。患者と回復者と一般の市民が共に手を取り合うことが大切だ。人権史からも医療史からもハンセン病療養所は人間の心の弱さとそれを克服しようとする強さを教えてくれる。

私は、台湾の楽生院の保存運動を始めた学生たちの、他者への思いやりと関心こそが、温かなヒューマニズムあふれる未来につながると考えている。

バナー写真=台湾「楽生院」の患者住居棟(筆者撮影)