ビッグデータ活用も一つの出会いの形
こうした利用者の反応を受け、センターでは今年に入ってタブレットに気になる異性を登録できる「ブックマーク」(お気に入り機能)を追加した。お見合いを申し込まなくとも、どんな異性を気に入るかというデータを蓄積し、同じように異性をお薦めしてくれる仕組みだ。毎年、新たに蓄積されるデータは約50万件。そこから得られる様々な分析をもとに、システムを進化させていく方針だという。
果たして、このシステムは少子化・未婚化の救世主として全国に定着していくのか。お見合いを申し込まれた本人には、申し込みの通知が届くだけで、相手が条件検索で自分を探し出したのか、ビッグデータが自分をお薦めしたのか、経緯は知らされない。ビッグデータからお薦めされたと聞いたらショックを受けるかもしれない。
そもそも、自由恋愛の時代にそこまでして結婚を支援すること自体、「結婚することが良いことという古い価値観を押し付けているのではないか」などとの批判もある。それでも岩丸さんは支援の意義を強調する。
「異性と出会い、恋愛できる環境が整っている人ばかりではありません。例えば愛媛県は島しょ部が多くありますが、その農家の男性で、周囲はお年寄りばかりで若い女性と何年も話をしていないという人がいます。県東部の工業地帯では、職場の大半が男性で土日も休めず、出会いのきっかけもデートする時間もないという人もいます。結婚を願う人にとって、そうした社会的な阻害要因もあるのですから、『自己責任で』というのは厳しすぎるのではないでしょうか。自分だけではどうにもならないことがあるなら、行政の助けが必要だと私は思います。ビッグデータも一つの出会いの形です。結婚を願う人がいいお相手を見つけ、支えあう幸せを感じてほしいと願っています」
取材・文:國府田 英之(パワーニュース)
バナー写真:ビッグデータの活用を発案した岩丸裕建・えひめ結婚支援センター事務局長。婚活イベントの利用者も含めると、これまでに800組以上の夫婦が誕生した(撮影・國府田英之)
