日本から贈られたみこし

朝皇宮は台湾でも屈指の規模を誇る廟である。配下にはいくつもの廟や祠があり、祭事には数多くの神像が朝皇宮詣でを行なう。この時、神像はみこしに載せられて移動するが、飛虎将軍廟にはこのみこしがなかった。管理委員会の呉進池会長によると、杉浦氏はお告げの中で、純日本式のみこしを所望していたというが、これは容易には実現せず、時が流れていたという。

日本から贈られた飛虎将軍廟のみこし。純日本式のみこしは台湾では非常に珍しい(撮影、提供:片倉佳史)

そんな中、全国でさまざまな講演活動を行なっているクロフネカンパニーの中村文昭代表が有志を募り、飛虎将軍廟にみこしを贈るというプロジェクトを立ち上げた。このみこしは2015年3月10日に奉納式が行なわれ、新しい飛虎将軍廟のシンボルとなった。頂部には金色の零戦新型戦闘機が据え付けられ、遠くからでもよく目立つ。

みこしの初舞台となったのは同年4月30日。神像は日本から贈られたみこしに乗って朝皇宮に向かった。この時は飛虎将軍廟に関心を寄せる総勢200名もの日本人が現地に駆けつけ、晴れ舞台を祝った。

これは杉浦氏の英霊が現代に向けて遺した交流の種子(たね)が開花したものと言えるだろう。現在、このみこしは朝皇宮に安置されている。