子供にも伝えたいボランティアの意義

一青妙 陳さんは2度にわたって現地を訪れています。同じメンバーで行ったのでしょうか。どんな違いがありましたか。また、どうして2回、行くことになったのでしょうか。

陳一銘 2回とも違うメンバーです。私は日頃からDIYを得意とし、大工仕事にも慣れているので、今年の上半期は、教会で若者たちと一緒に作業所を建ててきました。1回目のボランティアはそのときの教会の人たちと合わせて12人でした。1回目のときは、まさか2回目も行くとは全く思いませんでした。1回目のとき、丸森町の人たちに「災害で壊れた町ではなく、復興した丸森の美しさを見て欲しい」と言われたので、また行くことを約束していました。復興した後に行くつもりでしたが、雪が降る前に農地などを復元しないと来春、種まきさえできなくなることを知り、居ても立ってもいられなくなり、冬前にまた行くことを決心しました。

丸森町に駆けつけたボランティアらに配布された作業マニュアル(陳一銘さん提供)
丸森町に駆けつけたボランティアらに配布された作業マニュアル(陳一銘さん提供)

ただ、2回目に一緒に行ってくれる人を見つけ出すのは容易ではありませんでした。台南の正興街や信義街、台東の知り合い、台湾企業などに声を掛けました。基本的に、普段から知っている人と一緒に行くことを決めていました。知らない人を連れて行って、実際に現地でスムーズにいかない可能性があり、気心を知っていて理念も同じ人と行くことが大事だと思ったのです。

2回目に集まった人たちは、60代の農業従事者、50代のエンジニア、40代の私と妻、20代の先住民族の人たちがいました。ボランティアにかかった費用は一人1万5000元(約54000円)です。宿泊費だけ払っていませんが、飛行機代、保険、レンタカー、食費など8日間にかかった費用全て含まれています。

ちなみに、2回目の丸森行きは、本当は年に一度の家族旅行でタイに行く予定にしており、妻はやや反対したのですが変更しました。休みを取って旅行に行くことはいつでもできます。重要なことは、家族一緒で有意義な時間を過ごすことです。いくら稼いでお金持ちになっても、子供と一緒に過ごす余裕がなくては、意味がありません。ボランティアをする両親の姿は、子供の成長に必ず役立ちます。子供だけでなく、われわれ夫妻も、ボランティアを通し、新しいことを発見することができます。

1回目も家族3人で参加しましたが、妻と子供にとっては初めてのボランティアでした。妻は現地の人たちとの交流を通し、人の温かさに触れ、涙を流し、台湾に戻ってからは、「人から聞くのと、自分で体験するのは全く違う」と周囲の人に話しています。私の思いを妻も子供も受け入れてくれて、また家族で丸森に向かうことになったのです。丸森を再び訪れた12月2日は保育園でお風呂にも入れず、仲間たちと雑魚寝状態の中、7回目の結婚記念日を迎えたことは、一生忘れないでしょう。

丸森町の住民が台湾人ボランティアに宛てた感謝の手紙(陳一銘さん提供)
丸森町の住民が台湾人ボランティアに宛てた感謝の手紙(陳一銘さん提供)

バナー写真=「丸森、加油(がんばれ)!」と印字された作業服で復興支援を行った台湾人ボランティア(陳一銘さん提供)