安倍前首相の訪台の可能性は「大」

菅内閣では安倍氏の弟である岸信夫氏が防衛相に就任した。かつて兄弟間にあった「閣僚と与党議員」の立場は入れ替わることになる。一衆議院議員に戻った安倍前首相が、今後、台湾を訪問する可能性があると范教授は予想する。

第一次安倍内閣の退陣後、安倍氏は2010年と11年に訪台している。11年9月6日は自民党総裁として、のちに総統に選出される蔡英文氏と会談を行った。また、20年7月30日の李登輝元総統の逝去に際し、安倍前首相は首相官邸で哀悼の意を示し、弔問のために森喜朗元首相を台湾に送り出した。

范教授は首相を辞任した安倍氏には、今後、「一衆議院議員」としての活躍が期待されると話す。一議員としての訪台であれば、たとえば李登輝前総統を記念する行事などにも姿を見せられるかもしれない。

20年は新型コロナウイルス問題で、米国と中国の間にはっきりと亀裂が生じた年だと言える。范教授は、米国は南シナ海でも北大西洋条約機構(NATO)のような軍事同盟の創設を検討していると見ている。その同盟には日本、インド、そしてオーストラリアが含まれるだろう。もしその軍事同盟で安倍前首相が事務総長などの職位に就いたなら、それは悪いことではないかもしれない。

安倍前首相は7年8カ月の在任期間中に、米トランプ大統領やロシアのプーチン大統領、その他の欧州諸国と非常に友好的な関係を築き、各会議において発言権を得てきた。今後、安倍氏がその外交力を発揮し、台湾への支援に動いたなら、それは台湾外交にとって大きな利益となるだろう。

防衛大臣に就任した岸信夫氏。李登輝元総統の弔問で台北を訪れた(台湾総統府提供)
防衛大臣に就任した岸信夫氏。李登輝元総統の弔問で台北を訪れた(台湾総統府提供)