かっぱ橋「和の料理道具」10選

土鍋・雪平鍋:じっくり煮込むなら保温力、日常使いなら熱伝導率の高さで選ぶ

文化 旅と暮らし

かっぱ橋道具街(東京都台東区)の老舗・飯田屋で訪日客に人気の「和の料理道具」を紹介する。鍋は世界中にいくらでもあるのに、わざわざ買って帰る外国人が多いらしい。

熱々が続き、炊飯も早い

「こういう鍋が欲しい、って写真を見せられるんですよ。よほどおいしかったんでしょうね」と話すのは、飯田屋の6代目社長・飯田結太さん。訪日観光客が差し示すスマホ画面にあるのは旅先での夕食風景。お目当ては土鍋だ。基本は直火用だが、IH対応品もある。

1~2人用が売れ筋。調理したらそのまま食卓に出せる(PIXTA)
1~2人用が売れ筋。調理したらそのまま食卓に出せる(PIXTA)

三重県の「萬古焼」と「伊賀焼」、滋賀県の「信楽焼」あたりが名高い。土鍋は食材をゆっくり温め、じっくり火を通す。蓄熱性が高く、火から下ろしても熱々が長く保たれるのが特長。食卓に置いても趣がある。

表面の釉薬(ゆうやく)層の微細なひびに墨を流し込み、模様を引き立たせる
表面の釉薬(ゆうやく)層の微細なひびに墨を流し込み、模様を引き立たせる

ご飯を炊くには、普通の土鍋より肉厚な炊飯専用がおすすめだという。土鍋は温度上昇が緩やかだが、沸騰後の高温が長く保持できるので短時間で炊ける。「これは炊飯10分・蒸らし10分。とにかく早いし、やっぱり土鍋で炊くとおいしいですよ」

炊飯専用の土鍋。対流を促すため丸みを帯びたフォルムで、内ぶたがついている
炊飯専用の土鍋。対流を促すため丸みを帯びたフォルムで、内ぶたがついている

毎日使える万能鍋

雪平(行平)鍋は、注ぎ口が付いた片手鍋。海外のソースパンやシチューパンは底からの立ち上がりが直角に近いが、雪平は底が丸く、上に向かって広がっている。対流が生まれ、水分が蒸発しやすいので、煮炊きには欠かせない。最大の特徴は、「槌目(つちめ)」と呼ばれる、槌でたたいた跡が付いていること。「金属はたたくことで強化されるので耐久性が高まる。凸凹で表面積が広がって、熱伝導率がアップするのも利点です」

ステンレスの雪平鍋。金属加工で有名な新潟県・燕三条製
ステンレスの雪平鍋。金属加工で有名な新潟県・燕三条製

熱伝導率の高い銅やアルミの雪平なら、より時短になる。手入れが簡単なステンレス製も人気だ。野菜をゆでたり、ラーメンみそ汁を作ったりと、日本の台所で最も活躍する鍋といえるかもしれない。

【今、訪日客に売れている!ひと味違う「和の料理道具」10選】

  1. おろし金
  2. すり鉢とすりこ木
  3. おにぎり型・巻きす
  4. 刃付き小物(ピーラー・スライサーなど)
  5. 鉄瓶・茶こし
  6. 土鍋・雪平鍋
  7. フライパン
  8. 卵焼き器・菜箸
  9. まな板
  10. しょうゆ差し・みそマドラー

撮影=野村和幸(特に記載のある画像を除く)

バナー写真:土鍋と、雪平鍋の槌目

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